米騒動に震撼する堂島蔵屋敷で手代が殺しが…。大坂編第2弾

天満橋まで 風の市兵衛 弐辻堂魁さんの文庫書き下ろし時代小説、『天満橋まで 風の市兵衛 弐』(祥伝社文庫)を入手しました。

本書は、前作の『縁の川』に続き、唐木市兵衛で親友の《鬼しぶ》こと、渋井鬼三次の息子・良一郎とともに大坂で活躍します。

定町廻り《鬼しぶ》の心配をよそに、唐木市兵衛は未だ大坂に在った。世話になった長屋のお恒の息子が、突然殺されたのだ。堂島の蔵屋敷で働く孝行息子だったが、その背中には幾つもの刺し傷があった。下っ引の良一郎らと下手人を追う市兵衛。堂島は米の取り付け騒ぎに震撼していた。同じ頃、市兵衛をつけ狙う刺客が現れた。気配からかなりの凄腕と思われ……。
(本書カバー裏の紹介文より)

大坂南の千日墓所で何者かによって殺された弟・野呂川伯丈の無念を晴らすため、兄で彦根藩の重臣・保科柳丈は、捨扶持を与えていた浪人・室生斎士郎に剣の腕を借りに来るところから物語は始まります。

 斎士郎は二十九歳。未だ瑞々しい清風の鋭気を面影に止めつつも、壮年の年ごろに差しかかっている。
 青白い細面にやや頬骨が目だつものの、広い額からひと重の鋭い目と中高な鼻筋が、一文字に鋭く結んだ薄く赤い唇へ下がっていた。(略)
 背筋を伸ばした上体は痩躯ながら、肩幅の広い六尺(約一八〇センチ)を超える長身は、しなやかで強靭な刃を感じさせた。
(『天満橋まで 風の市兵衛 弐』P.8より)

大坂にやってきた市兵衛と良一郎らが世話になっている、こおろぎ長屋のお恒の息子で、堂島蔵屋敷で、蔵元の手代豊一が、蔵屋敷で働いていた出仲士に殺されるという事件が起こります。

市兵衛らが下手人を追うと、事件の背後には米仲買の取り付け騒ぎが……。
凄腕の刺客・斎士郎も現れ、大坂編はクライマックスに向かいます。
市兵衛は、無事に良一郎を江戸に連れ戻すことができるのか。

なお、テレビ時代劇「そろばん侍 風の市兵衛」が、2020年の正月時代劇として制作されることが決定しました。こちらも楽しみです。

正月時代劇『そろばん侍 風の市兵衛SP』制作決定!|NHK ドラマトピックス

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『天満橋まで 風の市兵衛 弐』(辻堂魁・祥伝社文庫)
『縁の川 風の市兵衛 弐』(辻堂魁・祥伝社文庫)