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大奥最後の日に、五人の女中は何ゆえ江戸城に残ったのか?

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残り者朝井まかてさんの長編時代小説、『残り者』(双葉文庫)を入手しました。

本書は、慶応四年(1868)四月十日、徳川家の「江戸城明渡し」の日の大奥を描いた、幕末時代小説です。

時は幕末、徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。官軍の襲来を恐れ、女中たちが我先にと脱出を試みるなか、大奥にとどまった「残り者」がいた。彼女らは何をもくろんでいるのか。それぞれ胸のうちを明かした五人が起こした思いがけない行動とは――。激動の世を生きぬいた女たちの矜持が胸を打つ傑作時代小説。
(本書カバー裏の紹介文より)

その日、大奥の主・天璋院(篤姫。十三代家定の御台所)は、江戸城西丸の大奥を立ち退いて、御三卿の一つである一橋邸に引き移ります。

江戸城を立ち退く天璋院を見送った、呉服之間勤めの女中りつは、近づいてくる官軍の影におびえながらも御針の始末が気になって仕事場である呉服之間に戻りました……。

江戸城最後の日を描いた時代小説では、浅田次郎さんの『黒書院の六兵衛』を想起しますが、本書はその大奥版といったところ。

大奥というと、将軍の寵愛や権力を争った女たちの戦いの場のようなイメージが強いですが、本書は幕府の役所の一つとして大奥がとらえられていて、女中たちの仕事ぶりと仕事への矜持が描かれています。

こちらのほうが大奥の実情に近いようで、しっくりきます。

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『残り者』(朝井まかて・双葉文庫)
『黒書院の六兵衛 上』(浅田次郎・文春文庫)
『江戸城・大奥の秘密』(安藤優一郎・文春新書)