2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

2021年時代小説ベスト10【文庫書き下ろし部門】

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2021年時代小説ベスト10 文庫書き下ろし部門

「時代小説SHOW」による、2021年文庫書き下ろし時代小説のベスト10を発表します。

対象は、Amazonでの発売日もしくは奥付表記が2020年11月1日から2021年10月31日発行の時代小説作品(シリーズ)で、文庫書き下ろし作品になります。単行本の文庫化は対象外です。

1位 「三河雑兵心得」シリーズ
三河雑兵心得(四) 弓組寄騎仁義 (双葉文庫)

井原忠政
双葉社・双葉文庫

対象期間中の作品は『(4)弓組寄騎仁義』(2020年11月刊)、『(5)砦番仁義』(2021年2月刊)、『(6)鉄砲大将仁義』(2021年9月刊)、『(7)伊賀越仁義』(2021年10月刊)の4作。

♪雑兵の視点から、戦国時代を活写した戦国時代小説。百姓の出身ながら、家康の勢力伸長に歩を合わせるように、戦功を重ね、足軽から鉄砲大将に出世。合戦や家臣たちの日常など細部まで描き込まれています。

2位 「あきない世傳 金と銀」シリーズ
あきない世傳 金と銀(十) 合流篇 (時代小説文庫)

高田郁
角川春樹事務所・時代小説文庫・ハルキ文庫

対象期間中の作品は『(10)合流篇』(2021年2月刊)と『(11)風待ち篇』(2021年8月刊)の2作。

♪ 呉服太物商でありながら、呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。
幸や奉公人たちは、職人たちと知恵を寄せ合って、江戸の街に木綿の橋を架けたいという願いを込めて、これまでにない浴衣地の開発に挑みます。
川の流れのように巻を重ねてきた大河小説。大海に向けて新たな旅立ちに向けて五鈴屋主従から、ますます目が離せない。

3位 「北の御番所 反骨日録」シリーズ
北の御番所 反骨日録(一) 春の雪 (双葉文庫)

芝村凉也
双葉社・双葉文庫

対象期間中の作品は『(1)春の雪』(2021年4月刊)、『(2)雷鳴』(2021年8月刊)の2作。

♪ 論理的な思考から屁理屈屋と揶揄される用部屋手附同心の裄沢広二郎の日常と活躍を描く新感覚の奉行所小説。
本書でようやく、奉行所という組織に視点を置いた、読み応えのある面白い「奉行所小説」に出合えました。

4位 『戦百景 長篠の戦い』
戦百景 長篠の戦い (講談社文庫)

矢野隆
講談社・講談社文庫

対象期間中の作品は『戦百景 長篠の戦い』(2021年6月刊)の1作。

♪ 戦国小説の名手が手掛ける「長篠の戦い」に臨む武将たちを描いた連作短編集。
織田・徳川の連合軍が、戦国最強の騎馬軍団を擁する武田軍を膨大な数の鉄砲で打ち負かしたとされる「長篠の戦い」。戦いの当事者たる各武将たちの視点から、その思惑を描いていきます。

5位 「お勝手のあん」シリーズ
お勝手のあん あんの青春 若葉の季 (時代小説文庫)

柴田よしき
角川春樹事務所・ハルキ文庫・時代小説文庫

対象期間中の作品は『(3)あんの青春 若葉の季』(2020年12月刊)、『(4)あんのまごころ』(2021年6月刊)の2作。

♪ 類まれな嗅覚を持つおやすが、仲良しの「百足屋」のお小夜や、薩摩の姫・おあつとの別れに胸を痛めながらも、一人前の料理人を目指して修業を続ける青春が描かれています。
品川宿の宿屋を舞台に繰り広げられる、江戸版の「赤毛のアン」。

6位 『祇園「よし屋」の女医者』
祇園「よし屋」の女医者 (小学館文庫)

藤元登四郎
小学館・小学館文庫

対象期間中の作品は『祇園「よし屋」の女医者』(2021年1月刊)の1作。

♪ 精神科医が手掛けた本格的な医療時代小説で、心療内科分野ともいうべき患者を扱うという点がユニーク。祇園のお茶屋の娘月江が、女医者を目指す青春小説でもあります。江戸時代の医療知識と京祇園の風俗も巧みに物語に取り込まれています。

7位 「損料屋見鬼控え」シリーズ
損料屋見鬼控え1 (講談社文庫)

三國青葉
講談社・講談社文庫

対象期間中の作品は『1』(2021年3月刊)、『2』(2021年6月刊の2作)の2作。

♪ 損料屋の霊が見える兄又十郎と、物に宿る声が聞こえる妹天音が、長屋で起こる心霊現象を調べ、事故物件が引き起こす事件を解決してゆく人情時代小説。
この世に未練を残して亡くなったために、天国にも地獄にも行けない可哀そうな身の上の幽霊たちに心を寄せる、兄妹の正義感と優しさに癒され、心がじんわりと温かくなります。

8位 『あの日、松の廊下で』
あの日、松の廊下で (文芸社文庫)

白蔵盈太
文芸社・文芸社文庫

対象期間中の作品は『あの日、松の廊下で』(2021年4月刊)の1作

♪ 忠臣蔵の前史ともいうべき、浅野内匠頭による殿中刃傷事件の真相が明らかになっていきます。「殿中でござる」で刃傷を止めた男・梶川与惣兵衛の視点から描いた興味深い一冊。
ユーモアとペーソスを交えた軽妙な筆致で、勅使饗応役の準備期間中に起こった様々な事件が綴られ、新感覚の時代小説になっています。

9位 『江戸彩り見立て帖 色にいでにけり』
江戸彩り見立て帖 色にいでにけり (文春文庫)

坂井希久子
文藝春秋・文春文庫

対象期間中の作品は『江戸彩り見立て帖 色にいでにけり』(2021年6月刊)の1作

♪ 元摺師の娘・お彩が色をめぐって悩んでいる人に彩りの見立てをして、次第に評判を得るようになっていく江戸の職業小説です。
価値観や生活習慣の違いによる、江戸娘お彩と京男右近のやり取りが軽快な筆致で描かれる、人情味あふれる物語のファンになりました。

10位 『くら姫 出直し神社たね銭貸し』
くら姫 出直し神社たね銭貸し(文春文庫)

櫻部由美子
角川春樹事務所・ハルキ文庫・時代小説文庫

対象期間中の作品は『くら姫 出直し神社たね銭貸し』(2021年4月刊)の1作。

♪ 不運続きで仕事もなく、天涯孤独の身のおけいは、不思議なカラスに導かれて、〈うしろ戸の婆〉と呼ばれる老女が守る、〈出直し神社〉に採用されて、働くことになりました。
出直し神社は、人生をやり直そうとする人にたね銭を貸して応援します。貧乏神に愛された娘・おけいがその手助けをする、ハートフルな時代ミステリー。

おことわり:管理人の理流が『この時代小説がすごい! 2022年版』(宝島社刊、対象期間:2020年10月1日~2021年9月30日)で発表したベスト6と、候補作品の対象期間が1カ月ずれているため、一部ランキングが違っています。

時代小説ベスト10【単行本部門】は1月中旬に発表します。

時代小説ベスト10【単行本部門】はこちら

2021年時代小説ベスト10【単行本部門】
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