時代小説●文庫新刊情報|2025年6月上旬の新刊(1日→10日)
2025年6月1日から6月10日に文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。おすすめの新刊の紹介文は、Amazonの内容紹介より抜粋・編集しています。各タイトルの詳細はAmazon.co.jpの紹介ページからご覧いただけます。
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文春文庫
山本一力さんの『固結び 損料屋喜八郎始末控え』
真夜中の初午参りに出かけた喜八郎たちは、川で身投げをしようとしていた女性を間一髪のところで助け出します。彼女の奉公先は、色恋沙汰が御法度とされる賭場で、好いた男と心中を図ったものの、自分だけが助かったといいます。喜八郎は、非道と名高い賭場の貸元に直談判を挑みますが――。喜八郎の恋にも進展が訪れる、待望の時代小説シリーズ第5弾です!
坂井希久子さんの『江戸彩り見立て帖 星合いの空』
お彩にライバルが出現します。
塚田屋の三男坊・右近に呉服の色見立てを頼まれたお彩は、天性の色彩感覚を武器に評判を得ます。ところが、相模屋にも美貌と若さ、教養を兼ね備えた千代という色見立て役が現れ、二人は七夕に腕を競い合うことになります。
一方、妾腹の右近を疎む長兄・蘇芳が京都の本店からやって来て、お彩に京風の嫌味を連発。しかし、一本気な江戸っ子のお彩は、その嫌味に気づかず……。
“江戸の天才カラーコーディネーター”お彩が大活躍する、人気シリーズ待望の最新刊です。
青山文平さんの『本売る日々』
文政5(1822)年。月に一度、城下の店から在方へ行商に出て、20あまりの村の寺や手習所、名主の家を回る本屋の「私」。
上得意のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は、最近孫ほど年の離れた少女を後添えにもらったといいます。ある日、惣兵衛は「彼女にふさわしい本を見繕ってほしい」と頼んできますが、用意した貴重な画譜(絵本)が、目を離した隙に2冊もなくなってしまいます――。
「江戸時代の豊かさは村にこそある」と語る著者が、本を行商する本屋を語り手に、書物を愛し、知識を求め、人生を楽しむ人びとの生き生きとした暮らしぶりを描いた中編集です。
宝島社文庫
君野新汰さんの『魔女裁判の弁護人』
16世紀の神聖ローマ帝国。かつて大学で法学を教えていた元教授のローゼンは、旅の道中で立ち寄った村で、魔女裁判に遭遇します。
水車小屋の管理人を魔術によって殺害したとして告発されていたのは、まだ幼い少女・アンでした。アンを審問したローゼンは、彼女の無実を信じ、村の領主に申し出て事件の捜査に乗り出しますが――。
魔女の存在が信じられていた時代を舞台に、法学者の青年が論理を武器に魔女裁判に挑む、知的興奮に満ちたリーガルミステリーです。
潮文庫
伍代圭佑さんの『若親分、翔る 目明かし常吉の神楽坂捕物帖』
江戸の町を震撼させた「十三人斬り」の凶刃。その真相を追うのは、「神楽坂の若親分」と呼ばれる目明かしの常吉です。
祟りと噂される事件の背後に隠された陰謀に、常吉が立ち向かいます。
気鋭の作家・伍代圭佑さんが描く、「目明かし常吉の神楽坂捕物帖」シリーズ待望の第2弾です。
文芸社文庫
白蔵盈太さんの『みぎての左甚五郎』
幽霊を捜して歩く、右手が義手の男――。彼は「絶対に中を覗くなよ」と言い残し、依頼主に惚れ込んだ時だけ仕事を引き受けます。
「天下一の彫り物職人、左甚五郎たぁ、俺のことだっ!」
理不尽な事態に巻き込まれて困っている人を放っておけない、謎多き男・甚五郎。亡き妻への想いを胸に、江戸へと向かう道中で降りかかる厄介事を、自らの「みぎて」で解決していきます。
人情味あふれる時代小説、ついに開幕です。
中南元伸さんの『筒井順慶の悩める六月』
日本史上屈指のクーデター、本能寺の変。織田信長に臣従しながら、明智光秀とも懇意にしていた筒井順慶は、恩と義、そしてお家の存続を賭けた政治の駆け引きの狭間で苦悩します。
本能寺の変から山崎の戦いに至るまで、筒井家にはいかなる葛藤があったのか。
「日和見順慶」との風評を受けた武将の真の姿を、リアルかつユーモラスに描き出す傑作歴史小説です。
著者は、2020年に「覚慶救出」で第3回歴史文芸賞(主催:文芸社)優秀賞を受賞した注目の作家です。
実業之日本社文庫
喜多川侑さんの『深川おせっかい長屋 胸騒ぎの萬年橋』
深川万年町の表店に、古本屋の娘・お花が引っ越してきました。
元気いっぱいの「ごんたま」のふたり、隠居夫婦、絵師など、一癖も二癖もある面々が暮らす長屋で、お花は大家の娘として長屋を取り仕切ることになります。
そんな折、萬年橋で幼なじみと再会。仕事のもめ事、失踪した娘の捜索、亡き妻の遺言状など、さまざまな悩みや騒動が次々と舞い込んできます。
笑いと涙が交錯する、心温まる時代小説シリーズのスタートです。
小学館文庫
有馬美季子さんの『花蝶屋の三人娘 紅い爪は死を誘う』
水茶屋〈花蝶屋〉の看板娘・お蘭は、一言も聞き漏らさぬよう、耳をそばだてていました。
「このひと月ほどで、美しい人妻が立て続けに三人も殺された。いずれも溺死体で見つかったが、他殺に間違いないだろう」
探索中に立ち寄った常連客で、定町廻り同心の沢井勝之進から事件の見立てを聞いていたのです。
ほどなくして、殺された美人妻・お静の夫で、日本橋の飛脚問屋〈はやて屋〉の主人・宗助が、仇討ち屋〈闇椿〉の隠れ家を訪ねてきます。
仕事を引き受けたお蘭・お藤・お桃の三人娘と〈闇椿〉の仲間たちが調査を進める中、被害者の人妻たちは皆、爪紅をつけていたことが判明します。
一方、鍼灸医の桂雲は、未練を残す元妻・鶴代の足の爪を見て、胸騒ぎを覚えていました――。
話題の作家が贈る、恋と陰謀が交錯する人気シリーズ、待望の第2弾です!
朝日文庫
細谷正充編 さんの『朝日文庫時代小説アンソロジー「たびじ」』
異国の焼物を求めて江戸から長崎へ、箱根の関所破りを警戒する番士の苦労、人気の高尾山へ参拝に出かける旅……。
「旅」をテーマに、時代小説の名手たちによる名作を厳選した傑作短編集です。
累計10万部を突破した人気時代小説アンソロジーの最新刊となります。
【収録作家】
浅田次郎/池波正太郎/梶よう子/西條奈加/佐江衆一/澤田瞳子/澤見彰
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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