第26回大藪春彦賞授賞式パーティーに行ってきました

アドセンス広告、アフィリエイトを利用しています。
スポンサーリンク

第26回大藪春彦賞授賞式パーティー2024年3月1日(金)、第26回大藪春彦賞および第7回大藪春彦新人賞(主催:大藪春彦賞選考委員会、後援:株式会社徳間書店)の授賞式パーティーが、受賞作家と担当編集者、多くの作家、編集者など出版関係者を集めて、東京新橋の第一ホテル東京で開催されました。

大藪春彦賞は、作家大藪春彦さん(1935年-1996年)の業績を記念し、優れた物語世界の精神を継承する新進気鋭の作家および作品に贈られる賞です。また、大藪春彦新人賞は、大藪春彦賞二十回を記念し、次世代のエンターテインメント小説界をリードする強い意気込みに満ちた新人の誕生を熱望して創設されたもの。

大藪春彦さんといえば、『野獣死すべし』『蘇える金狼』など、ハードボイルド小説の先駆者で、そのイメージが強いですが、賞は、ジャンルを限定しないノンジャンルとなっています。

徳間書店から『女スパイ鄭蘋茹の死』のある橘かがりさんに誘われ、受賞者の松下隆一さんに「おめでとうございます」と祝意を伝える目的で、行ってきました。

第26回大藪春彦賞 受賞作
太田愛さん『未明の砦』(KADOKAWA、2023年7月刊)
松下隆一さん『侠(きゃん)』(講談社、2023年2月刊)

第7回大藪春彦新人賞
安孫子正浩さん『等圧線』

受賞されたみなさん、おめでとうございます!

大藪春彦賞では、選考委員の黒川博行さんから選評の発表がありました。

『未明の砦』について、「この本に込められた熱意と熱量に、選考委員全員が動かされた」という言葉が印象に残りました。未読だったので、ますます読みたくなりました。
『侠』については、文章がうまい、台詞がうまい、小説と申し分ないが、博奕のシーンで首を傾げざるを得ないところもあった。最終的には、強力に推した選考委員の東山彰良さんの選評を受け入れて、2名受賞となったと。

選考委員の忌憚のない選考のやり取りが垣間見れて興味深く聞き入りました。
続いて、大藪春彦さんのお二人の御子息から記念盾が授与されました。

受賞のことばを語る、松下隆一さん受賞者の言葉で、脚本家でもある松下さんは、「作家として陽の目を見ないまま死にゆく恐怖に苛まれ、一縷の望みを小説に託した」、託した題材が、ある監督と京都太秦で飲んでいた際に、「元ヤクザの老人の話はどうだろうか」と言われたことだと語っておられました。

そういえば、もう一人の受賞者の太田さんもシナリオライターとしてテレビの特撮ものや刑事ドラマで活躍されています。

また、前年度の受賞者赤神諒さんと安壇美緒さんが乾杯のご挨拶をされました。
4年ぶりに開催されたホテルでの授賞式パーティーは、多くの来場者を集めて、スクリーンに投射した動画も駆使して華やかな雰囲気のなか、閉幕しました。出版不況が叫ばれて久しいですが、素晴らしい作品を世に送り出していく、出版社の力は健在のように思えました。

安孫子正浩さん『等圧線』は、「読楽2024年1月号」Kindle版で読むことができます。

■今回取り上げた本





松下隆一|時代小説ガイド
松下隆一|まつしたりゅういち|脚本家、時代小説・作家1964年兵庫県生まれ、京都市在住。2019年、「もう森へは行かない」で第1回京都文学賞最優秀賞受賞。2020年、授賞作を改題した単行本『羅城門に啼く』で時代小説デビュー。2023年、『侠...