「2023年7月下旬の新刊（文庫）」をアップ

『凜と咲け　家康の愛した女たち』｜仁志耕一郎｜新潮文庫

2023年7月21日から7月31日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2023年7月下旬の新刊（文庫）」を掲載しました

今月の注目しているのは、新潮文庫から刊行される、仁志耕一郎（にしこういちろう）さんの歴史時代短編集、『凜と咲け　家康の愛した女たち』です。

表紙装画の女性たちの着物に目を奪われました。
華やかさと大胆な色使いの着物意匠に、安土桃山から江戸初期にかけての闊達な雰囲気が伝わってきて素敵です。

したたかに、大胆に、女の筋を通した女性たち。正室築山御前〈最後の恋〉にはじまり、出奔した側室お万ノ方の破天荒な生き方、老いても家康に大切にされた西郡(にしごおり)ノ局、大坂落城後、秀頼の妻千姫を誠実に励ましたお夏ノ方、下層の出自ながら懸命に仕えた茶阿ノ方、女性として最高位に昇りつめた阿茶ノ局……。家康を支えながらも、自分らしく生き抜いた魅力的な六人を存分に描き出す傑作短編集。
（『凜と咲け　家康の愛した女たち』（新潮文庫）Amazonの内容紹介より）

大河ドラマ「どうする家康」の影響もあり、家康を愛し支えた女たちに注目が集まるなかで、時宜を得た刊行です。
朝日時代小説大賞や歴史時代作家クラブ賞新人賞受賞した著者の文庫書き下ろし作品。

家康をめぐる女性たちを描いた作品では、植松三十里さんの『家康を愛した女たち』もおすすめです。