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2021年大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一の青春

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幕末の志士 渋沢栄一歴史家の安藤優一郎さんの歴史読み物、『幕末の志士 渋沢栄一』(MdN新書)を献本いただきました。

2020年4月6日、インプレスグループでデザイン分野のメディア事業を手掛ける、株式会社エムディエヌコーポレーションが、ワンテーマを深く掘り下げる、注目のノンフィクション新書「MdN新書」を創刊しました。

MdN 新書|新ジャーナリズム宣言。
時代は激変している。コロナショックに揺れる世界。令和時代の日本は今まさに政治、経済、社会、暮らしと文化、医療体制や健康、思想や働き方、あらゆる面で抜本的なパラダイムシフトを迫られるている。その視座から取材者が深掘りするノンフィクション新書出...

紙媒体の縮小化の流れの中で、注目の動きです。本書は、創刊5タイトルの中の1冊です。
新10,000円札の肖像に決まり、2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公に決定した、実業家で「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の青春時代を光を当てています。

「日本の会社王」の原点がここにある
武蔵国の豪農の長男に生まれた渋沢栄一。幕末動乱の時代、尊王攘夷運動に身を投じるが、思いもしないきっかけで打倒するはずの一橋慶喜に仕えることになり、さらに慶喜の弟の随員としてパリ万博使節団に選ばれる。
志士として夢破れた青年が、近代日本最大の経済人になる。その原点は、なんだったのか……。
人との出会い、また、その出会いを生んだ彼の情熱にあった。
(カバー裏の内容紹介より)

渋沢栄一は、「維新の三傑」西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允より十歳ほど年下で、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文とほぼ同年代です。

栄一は明治に入って実績を残し、昭和六年(1931)年に91歳で永眠するまで、国や社会に尽くしてきたことから、もっと後の世代と思っていました。

しかしながら、彼の青春期が幕末動乱時代にちょうどあたり、当時流行の尊王攘夷の運動に身を投じ、草莽の志士だった事実に目を見開かされる思いです。

 幕末とは、大勢の若者たちが尊王攘夷、そして倒幕という政治運動にのめり込んだ時代である。その青さが維新回天の原動力となっていくが、それゆえ若くして命を落とす者は少なくなかった。吉田松陰、坂本龍馬、高杉晋作など、日本の夜明けを見ずして生涯を終えた志士は、枚挙に暇がない。彼らとほぼ同年代にあたる栄一にしても、いつ命を落としてもおかしくはなかったし、栄一自身、大義のためならば命を捨てる覚悟を持っていた。

(『幕末の志士 渋沢栄一』「はじめに 尊王攘夷の志士だった」P.4より)

渋沢栄一は、明治六年(1873)五月に大蔵省を辞めて、在野の立場になってから、殖産興業を推進しました。

銀行の設立をはじめ、製紙、紡績、保険、運輸、鉄道などの分野で多くの会社を設立して、その実績により、「日本資本主義の父」と呼ばれるようになったことは広くされています。

本書では、青年期に尊王攘夷の運動に身を投じた栄一の青年期を浮き彫りにし、彼が見た幕末維新の歴史に光を当てることで、後年の栄一の目覚ましい活躍の原動力を知ることができます。

「青天を衝け」でも、主演が若手俳優の吉沢亮さんということもあり、青年期の栄一も描かれることと思い、楽しみにしています。

渋沢栄一の生涯を描いた歴史時代小説では、城山三郎さんの『雄気堂々』と津本陽さんの『小説渋沢栄一』があります。

幕末の志士 渋沢栄一

著者:安藤優一郎
発行:エムディエヌコーポレーション MdN新書
発売:インプレス
2020年4月11日初版第1刷発行

装丁者:前橋隆道
デザイン:千賀由美、進藤航(tokyo synergetics)

●目次
はじめに 尊王攘夷の志士だった
第一章 倒幕の志が芽生える 士魂商才の始まり
第二章 横浜居留地焼き討ちを計画する 慷慨組の結成
第三章 一橋慶喜に仕える 攘夷実行を迫る
第四章 渡仏中の幕府滅亡 慶喜に「官軍」との決戦を迫る
第五章 彰義隊の分裂 養子渋沢平九郎の自害
第六章 徳川の遺臣として生きる 明治政府に背を向ける
おわりに 日本資本主義の父への変身
年表・系図
施設紹介 渋沢栄一に会える博物館
参考文献

本文207ページ

■Amazon.co.jp
『幕末の志士 渋沢栄一』(安藤優一郎・MdN新書)
『雄気堂々 上』(城山三郎・新潮文庫)
『小説渋沢栄一 上』(津本陽・幻冬舎文庫)

安藤優一郎|著作ガイド
安藤優一郎|あんどうゆういちろう|歴史家 1965年、千葉県生まれ。歴史家。文学博士。 早稲田大学教育学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程満期退学。 主に江戸をテーマとして執筆・講演活動を展開。 ■時代小説SHOW 投稿記事 『30の神...