馬借と土倉、室町時代小説っぽい

宮本昌孝さんの『ふたり道三』を読んでいる。室町時代、応仁の乱後を描いているということで、いつも読んでいる江戸時代小説と違う言葉が出てきて新鮮。

 ……

 下山の途中、二十名ばかりの賑々しい一行と出くわした。大半の者が、髪は蓬髪であったり大童であったりで、柿帷子をだらしなく着け、腰に陣刀やら鎌やら杖やらの武器を差している。

(馬借の人足衆か……)

 と庄五郎は思うともなく思った。近江では馬借人足など掃いて捨てるほどいる。

馬借(ばしゃく)とは、馬の背に乗せた荷駄を目的地まで運んで駄賃を稼ぐ運送業者をいう。追剥や野盗の跋扈する時代だから、かれらは常に武器を携帯し、編隊を組んで仕事をする。そのため、馬借人足には荒くれ者が多かった。

また、馬借は時には利害の対立する座や土倉(どそう)や酒屋を襲撃したり、あるいは土一揆(つちいっき)の中心となって幕府に強訴するなど、当時、武家の権力を脅かすほどの力を持っていた。土倉も酒屋も高利貸業者のことで、土倉は質物を収納する土塗りの倉庫を持っていた。酒屋は多額の資本をもとに酒造りを兼業していた。

なるほど、勉強になるなあ。

ふたり道三〈上〉 (新潮文庫)

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