プリント・オン・デマンドで捕物小説の名作を掘り起こす、捕物出版

七之助捕物帖 第一巻絶版になって紙の本で読むことが難しくなっている捕物小説の名作や傑作を、「プリント・オン・デマンド(POD)」方式で発行する、時代小説専門の出版社・捕物出版が設立されました。


「あのう、つかぬことを伺いますが、捕物小説の本を出すとしたら、どの程度出るもんなんでしょう?」と業界関係者の方々に質問すると、「気長に考えればやがて500部くらいなら出るかも」「3000部なんて今時とても売れませんよ」といった答えが返ってくるのです。せいぜい出て500部。この数字をビジネスモデルの前提とすると、従来型の出版社を興すのはとても無理です。

捕物出版「捕物出版について」より


捕物小説は、岡本綺堂が1917年に『半七捕物帳』を雑誌に発表して1世紀が経過して、多くの作家により、数多の作品が出版されてきました。しかしながら、その大半は現在絶版になっていて、入手することも読むことも難しくなっています。

紙の本離れが進み、書店がどんどん減っていて、出版を取り巻く環境は近年大変厳しいものになっています。

そんな状況の下、埋もれた捕物小説を再び世に出そうという大志を抱いてスタートしたのが、捕物出版(会社名)です。

ご夫婦による個人事業の小さな会社ということですが、お客様から本の注文を受けると、1冊ずつ印刷・製本して本をつくるという「プリント・オン・デマンド(POD)」方式で起業されました。

会社設立から出版に至るまでも山あり谷ありのご苦労の連続と、それらを乗り越える捕物小説への熱い思いに胸がジーンときました。

プリント・オン・デマンドではオーダーに応じて作るので、従来の大量生産方式に比べて1冊あたりは割高になりますが、製造コストや流通コストが抑えられて、在庫や返本のリスクがない利点もあり、希少性も考慮するとリーズナブルな価格体系になっているように思われます。

捕物出版では、記念すべきプリント・オン・デマンド出版の第1号となる、納言恭平(なごんきょうへい)さんの代表作『七之助捕物帖』が、11月1日よりAmazonで発売になります。

その後も、有明夏夫さんの直木賞受賞作『浪花の源蔵召捕記事』、芥川賞受賞作家の古山高麗雄さんの『半ちく半助捕物ばなし』、捕物小説の季刊アンソロジー、季刊「捕物小説」など、興味深い作品が刊行予定に並んでいます。

■Amazon.co.jp
『七之助捕物帖 第一巻』(納言恭平・捕物出版)オンデマンド(ペーパーバック)版

捕物出版