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落日の桑名藩を捨てるか、殉じるか。幕末に翻弄される兄弟

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連鶴梶よう子さんによる長編時代小説、『連鶴(れんづる)』(祥伝社文庫)を入手しました。

一枚の紙から折る繋がったままの千羽鶴〈連鶴〉。桑名藩に伝わるそれは家族の深い絆を意味していた。大政奉還に始まる動乱期を、親藩桑名藩士として生き抜く速見丈太郎は、商家の婿養子になり「藩を捨ててくれ」と言い残して失踪した弟栄之助を思い、連鶴を折る。信じる道は違えども、我らは兄と弟だと――幕末の激動を二人に見せた明日とは!?

大政奉還から王政復古へ、激動の幕末。桑名藩藩主松平定敬は、元治元年(1864)の春、京都所司代を拝命して、京都守護職を務める会津藩主で兄の、松平容保とともに京の都を守っていました。

本書は、桑名藩藩士の嫡男として育った速見丈太郎とその弟で商家に婿養子入りした栄之助を軸に、激動の幕末を描く、長編歴史時代小説です。

桑名藩は、伊勢と尾張名古屋の間に位置して、徳川四天王のひとり本多忠勝が立藩し、以後は、将軍徳川家と祖を同じくする親藩・松平家が治める藩ですが、幕末まで脚光を浴びることは少なかったように思います。

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『連鶴』(梶よう子・祥伝社文庫)