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「2021年1月上旬の新刊(文庫)」をアップ

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『帝都の用心棒 血刀数珠丸』|馳月基矢|小学館文庫

帝都の用心棒 血刀数珠丸2021年1月1日から1月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2021年1月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました。

2021年も読みたくなる時代小説が続々と刊行されそうで、ファンにとっては楽しみが続きます。

今回は、馳月基矢(はせつきもとや)さんの、大正時代を舞台にした時代小説、『帝都の用心棒 血刀数珠丸』(小学館文庫)を取り上げてみました。

藤田五郎翁は刀を手にし、表に飛び出した。斬殺された男ふたりが道端に倒れている。
傍に立ち、血刀を提げた巨漢が唸り声を上げた。転瞬、ふたつの刃が火花を散らす。それも束の間、巨漢が隙を突き、姿を消した。
残された藤田が目にしたのは、亡骸の首元に彫られた蜘蛛の入墨、周囲に転がる数珠玉だった……。「立て続けに妖刀が出没して、人を斬っている」との噂を聞いた、東京帝国大学理学部教授の山川健次郎は、事件の真相を突き止めてほしいと、加能碧一と行成光雄に依頼した。
ふたりは、梁山泊屋敷と呼ばれる〔水城よろづ商会〕に出入りする用心棒コンビなのだ。刀を持たない剣術遣いの碧一と、二振の短刀と棒手裏剣を全身に仕込んでいる光雄は早速、刀剣蒐集家ウィルソンの邸へ赴いた。
ウィルソンが蔵で保管していた四谷正宗こと源清麿が血染めになっていたのだという。刀の装飾には蜘蛛が施されていたらしいが、前の事件を鑑みると、近頃一部の富裕層を取り込みつつある謎の組織〔蜘蛛の会〕を主宰し、人知を超えた力を使うと言われる妖女、多摩峰トワ子が関係しているのか?

剣光疾り、太刀風駆ける、書き下ろし大正ノワール日本刀アクション!
(『帝都の用心棒 血刀数珠丸(小学館文庫)』Amazonの内容紹介より)

『鬼滅の刃』の大ヒットのおかげで注目が集まる大正時代。

藤田五郎翁は、かつて新選組三番隊組長をつとめた斎藤一でしょうか。
山川健次郎は会津藩家老を父にもち、明治になってイェール大学で学んで帰国した人物。兄浩は戊辰戦争で会津藩側で活躍し、妹捨松は元老大山巌公爵の妻となったことで知られています。

用心棒コンビが日本刀にまつわる怪事件を解決するバディもので、気になる人物も登場し、刀剣ファンならずとも読書欲をそそられる作品です。

文庫●2021年1月上旬の新刊
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『帝都の用心棒 血刀数珠丸』(馳月基矢・小学館文庫)
『姉上は麗しの名医』(馳月基矢・小学館文庫)

馳月基矢|時代小説ガイド
馳月基矢|はせつきもとや|時代小説・作家 1985年、長崎県五島列島生まれ。 京都大学文学部卒、同大学院修士課程修了。 2019年、小学館第1回日本おいしい小説大賞に、「ハツコイ・ウェーブ!」(氷月あや名義)で最終選考に残る。 2020年、...