単行本★時代小説新刊情報|2024年6月の新刊(1日→末日)
2024年6月1日から6月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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★2024/06/15追記
伊多波碧さんの『夏がいく』
小学校高学年以上向けの児童文学。
絵はおとないちあきさん。
舞台は、江戸時代の旅籠。優太は12歳で跡とり息子。最近、寺子屋で出会った清吾という侍の子といっしょに、旅籠に出没すると噂される幽霊をつかまえることになりました。幽霊騒動をきっかけに、優太と清吾は仲良くなりますが、一方、幼馴染の小町娘おきくをめぐって、二人のあいだには葛藤も生じました。やがて、幽霊の正体が明かされるとともに、清吾、おきく、そして優太それぞれが抱える家族の秘密も明かされていきます。友情と、恋愛と、成長を描く、心揺さぶられる青春時代小説。
★2024/06/11追記
桜井真城さんの『雪渡の黒つぐみ』
伴天連教迫害が進む1625年。
東北では過激な新興宗教・大眼宗の台頭に、隣国との領地争いと、いくつもの火種が燻っていました。
南部藩の若き忍者・景信は、この世でただ一人の“声色使い”。どんな声も完璧に真似できる唯一無二の喉を使えば、無数の敵も指一本触れず制圧することができるます。
隣国・伊達藩の動向を探る命を受け、諜報活動に挑む景信が目にしたのは信仰にすがる声なき人々と、闇に身を潜める邪教の黒い陰謀。
背負わされた十字架、お上の掌返し、見ぬふりをされる人々の思い。いま、この時代にこそ突き刺さる、驚愕の時代エンターテインメント!
木下昌輝さんの『愚道一休』
「立派なお坊さんになるのですよ」
母の願いを受けて、安国寺で修行する幼い千菊丸だが、禅寺は腐敗しきっていました。怠惰、折檻、嫉妬、暴力。ひたすら四書五経を学び、よい漢詩を作らんとすることをよすがとする彼の前に将軍寵臣の赤松越後守が現れ、その威光により、一気に周囲の扱いが変わっていきました。
建仁寺で周建と名を改め、詩僧として五山の頂点が見えたのにも拘わらず、檄文を残して五山から飛び出して民衆の中に身を投じます。本当の救いとは、人間とは、無とは? 腐敗しきった禅を憎み、己と同じく禅を究めんとする養叟と出会い、その姿に憧れと反発を同時に抱えながら、修行の道なき道をゆくのでした。己の中に流れる南朝と北朝の血、母の野望、数多の死、飢餓……風狂一休の生そのものが、愚かでひたすら美しい歴史小説。
木内昇さんの『惣十郎浮世始末』
改革の嵐が吹き荒れ、疫病が日常をおびやかす江戸後期。浅草の薬種問屋で火事が起き、二体の骸があがりました。定町廻同心の服部惣十郎は犯人を捕らえますが、黒幕の存在が明らかに。罪を見つめて、人を憎まず。捕物帳の新たな傑作の誕生。
羽生飛鳥さんの『歌人探偵定家: 百人一首推理抄』
一一八六年。平家一門の生き残りである、亡き平頼盛の長男、保盛はある日、都の松木立で女のバラバラ死体が発見された現場に遭遇しました。生首には紫式部の和歌「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜半(よは)の月かな」が書かれた札が針で留められ、野次馬達はその惨状から鬼の仕業だと恐れていました。そこに現れた、保盛の友人で和歌を愛してやまない青年歌人・藤原定家は「屍に添えて和歌を汚す者は許せん」と憤慨。死体を検分する能力のある保盛を巻きこみ、事件解決に乗り出します。 後に『小倉百人一首』に選出された和歌の絡む五つの謎を、異色のバディが解く連作ミステリ。
京極夏彦さんの『了巷説百物語(おわりのこうせつひゃくものがたり)』
下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がありました。凡ての嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから〈洞観屋〉と呼ばれていた。ある日、藤兵衛に依頼が持ち込まれました。老中首座・水野忠邦による大改革を妨害する者ども炙り出してくれと。
敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たち。
依頼を引き受け江戸に出た藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇します。
やがて武蔵晴明神社の陰陽師・中禪寺洲齋と出会い、とある商家の憑き物落としに立ち会うこととなるが……。
野上大樹さんの『ソコレの最終便』
昭和二十年八月九日、日ソ中立条約を破棄したソ連軍が突如として満州国へ侵攻を開始。国内全体が未曾有の大混乱に陥るなか、陸軍大尉・朝倉九十九率いる一〇一装甲列車隊「マルヒト・ソコレ」に特命が下りました。それは、輸送中に空襲を受けて国境地帯で立ち往生してしまった日本軍唯一の巨大列車砲を回収し、はるかかなたの大連港まで送り届けよ、という関東軍総司令官直々の緊急命令でした。
疾走距離2000km、タイムリミットは7日間。戦争×鉄道エンターテイメント。
西條奈加さんの『バタン島漂流記』
荒れ狂う海と未知の島、そして異国の民。ため息すら、一瞬たりとも許されない――船大工を志すものの挫折し、水夫に鞍替えした和久郎は、屈託を抱えながらも廻船業に従事していました。
ある航海の折、船が難破してしまいます。船乗りたちは大海原の真っ只中に漂う他ない。生還は絶望的な状況。だがそれは和久郎たちにとって、試練の始まりに過ぎなかったのです。
史実に残る海難事故を元に、直木賞作家が圧倒的迫力で描く海洋歴史冒険小説。
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