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『小説現代 2022年1・2月号』13人の作家が鎌倉時代を描く

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『小説現代 2022年1・2月合併号』|講談社

『小説現代 2022年1・2月合併号』月刊文芸誌まで、普段はとても手が回らないのですが、『小説現代 2022年1・2月合併号』(講談社)はどうしても読みたくなってしまいました。

NHK新大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送に向けて、大特集「いざ鎌倉!」が組まれています。
表紙は主演の小栗旬さんで、巻頭インタビューもあります。

時代小説ファンとしては、13人の歴史作家が鎌倉時代を描く 読んで旅する鎌倉時代 に激しく惹かれました。

第一話「一樹の蔭」小栗さくら
第二話「妻の謀」鈴木英治
第三話「初嵐」阿部暁子
第四話「恋真珠」赤神諒
第五話「石橋山の戦い」武内涼
第六話「義時の憂鬱」松下隆一
第七話「兄の涙と弟の泪」矢野隆
第八話「鎌倉霊泉譚」鳴神響一
第九話「願成就院の決意」近衛龍春
第十話「ある坂東武者の一生」吉森大祐
第十一話「由比ガ浜の薄明」天野純希
第十二話「実朝の猫」砂原浩太朗
第十三話「修善寺の鬼」高田崇史

鎌倉時代を描いた歴史小説の短編があまり多くないことを逆手にとり、全編書き下ろしの短編小説ばかりです。

鈴木さん、赤神さん、武内さん、矢野さん、鳴神さん、近衛さん、天野さんといったバリバリ活躍されている方から、松下さんや吉森さん、砂原さんといった注目の新鋭まで、作家たちの人選も見事。

 ほかにどうすることもできなかったのだ。
 はからずも出会ってしまい、あの波乱の運命を背負った男の瞳に射貫かれた。あの男を知らなかった自分には戻れない。会わずにいることも、ましてや他の男に嫁ぐことも、今さらできるできるわけがない。それは死ぬのと同じことで、それなら死ぬ気になって駆けるしかなかった。(後略)

(『小説現代 2022年1・2月合併号』「初嵐」P.42より)

『室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君』の阿部暁子さんによる、頼朝と政子の出会いを描いた、「初嵐」にキュンキュンしました。歴史タレントの小栗さんの短編と合わせて楽しみたいところです。

時系列に構成されているので、鎌倉殿の時代を俯瞰するのにも役立ちます。

特集以外でも、今村翔吾さんが初めて明治時代を舞台に、武人たちを描いた『イクサガミ 天』の全編が収録されていて、2022年2月の文庫での刊行まで待てない人にはおすすめです。

そのほかに、塩田武士さんの『朱色の化身』全編が公開されていて、太っ腹な内容は本3冊分以上に匹敵し、買って大満足の一冊でした。

今月号紹介|2022年1・2月合併号は、最厚&最熱のボリュームたっぷり特別号!|tree
「小説現代」は創刊55年を越える、講談社のエンターテインメント小説“最前線”に立つ文芸小説誌です。五木寛之氏、伊集院静氏、浅田次郎氏などの不動の人気作家から、才気迸る新人作家の小説渾身作、味わい深い随

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『小説現代 2022年1・2月合併号』(講談社)
『室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君』(阿部暁子・集英社文庫)