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時代小説、時代劇がもっと楽しめる、究極の江戸城探訪ガイド

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『知る・見る・歩く! 江戸城』|加藤理文監修|歴史群像シリーズ

知る・見る・歩く! 江戸城歴史家の加藤理文監修さんの歴史読み物、『知る・見る・歩く! 江戸城』(歴史群像シリーズ)をご恵贈いただきました。

本書は、歴史群像シリーズの大判オールカラーの歴史ムック本です。
総合歴史雑誌「歴史群像」といえば、学研さんが長年出版元として知られていますが、2020年6月に学研プラスと株式会社日本創発グループの共同出資会社ワン・パブリッシングに承継されました。本書もワン・パブリッシングからの刊行となります。

コロナ禍を経験し、生活様式が大きく変化していくなかで、出版事業をどのように展開していくのか、注目しています。

株式会社ワン・パブリッシング
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日本一の城はすべてが規格外!

山を崩し、入江を埋め、河川を通した「日本最大の総構」
出入口を徹底防衛した「三十六見附と巨大枡形門」
将軍の「4つの天守」、遠方より運ばれた「石垣の巨石」
明治の東京城・皇城・宮城から令和の「皇居」へなど

最大約25m! 内郭の断面図で高低差もわかる!
巨大都市「東京」の始まりもわかる究極の江戸城探訪ガイド!
 
(『知る・見る・歩く! 江戸城』カバー帯の紹介より)

さて、東京に住んでいて「皇居」は意識することが少なくありません。
本書のまえがきを読んで、自分が意識しているのは内堀に囲まれた江戸城の中枢部、内郭であることに気づきました。

この内郭の周りに、江戸時代は「外郭(外曲輪)」と呼ばれた広大な区域が存在していました。今ではすっかり市街地化し、ビルが建ち並び人々が集まり普通に生活している場所になっています。

江戸城の外堀の要所には、門・櫓が置かれ、見張番所として通行人を監視した、「見附」と呼ばれる江戸城の軍事施設がありました。主な門を「三十六見附」と呼びましたが、三十六は門の実数ではなく、「多くの」という意味だそうです。

 見附の基本は、まず堀があり、堀に架かる橋を渡ったところに第一の門である高麗門がある。内側は石垣で囲まれた空間になっており、右か左に直角に折れてから第二の門である櫓門を潜り、外郭に入るようになっている。この空間が枡形である、筋違橋門や浅草橋門などという呼び方は、枡形と橋が一体であったことを示している。

(『知る・見る・歩く! 江戸城』P.11より)

本書では、豊富な写真や地図、図版とわかりやすい解説を通じて、周囲約16kmにも及ぶ外郭を、「江戸三十六見附」と呼ばれる、要所に置かれた枡形門の跡をめぐり、江戸城の大きさを実感するこができます。

時代小説を読んでいると、主人公たちは実によく江戸の町を歩きます。
明暦の大火以降、天守閣が再建されなかったとはいえ、江戸城はランドマークであり、巨大な渦巻状に城を囲んでいった「江戸三十六見附」は江戸への出入りを監視する要所でした。

緊急時代宣言が解除され、新型コロナウイルス感染が縮小されたら、江戸の風景の名残りを残す見附跡を、この本を手に実際に歩いてみたくなりました。

知る・見る・歩く! 江戸城

加藤理文監修
発行:ワン・パブリッシング
2021年3月12日第1刷発行

写真写真(右から時計回りに):
江戸城凸凹地形図(東京地図研究社提供 国土地理院の基盤地図情報を使用して作成)
桔梗櫓
石垣のハツリ(加藤理文撮影)
中之門古写真(東京都立中央図書館特別文庫室所蔵)
江戸城慶長度天守復元CG(復元=金澤雄記 CG制作=浅野孝司)
装丁・デザイン:高木菜穂子

●目次
まえがき
江戸鳥瞰復元図
江戸城三十六見附配置図
[歩く] 世界一大きな渦巻を巡る
Part1 江戸三十六見附を歩く
[知る] 三十六見附が守った城と町
[知る] 家康が築いた拡張可能な渦巻型の城
[見る] 江戸城は土の城
[知る] 江戸城は水の城
江戸城内郭地図
[歩く] 世界一大きな渦巻を巡る
Part2 江戸城内郭を歩く
[知る] 将軍の城の四つの天守
[知る] 武蔵野台地突端に築かれた江戸城
[知る] 超巨大な縄張と天守
[見る] 石垣1 進化した江戸城の石垣
[知る] 石垣2 石垣の遥かな旅
[知る] 石灰がもたらした白い壁
[知る] 江戸城と名将
[知る] 江戸城から皇居へ

オールカラー、本文143ページ

■Amazon.co.jp
『知る・見る・歩く! 江戸城』(加藤理文監修・歴史群像シリーズ)

加藤理文|歴史読み物ガイド
加藤理文|かとうまさふみ|城郭研究家 1958年、静岡県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業、2011年広島大学にて学位(博士〈文学〉)取得。 公益財団法人日本城郭協会理事・学術委員会副委員長、織豊期城郭研究会事務局長。 時代小説SHOW 投...