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お化けと幽霊と妖怪

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杉浦日向子さんの『お江戸でござる』を読んだ。断片的だった江戸の知識がだいぶ整理でき、説明の一つ一つが頭にすっと入ってきた。今回、なるほどと思ったのは、お化けと幽霊の違いの解説である。

お江戸でござる (新潮文庫)

お江戸でござる (新潮文庫)

 実は、「お化け」と「幽霊」には、きちんとした区別があります。

「幽霊」は、想う相手がいて、その人を目指して出ます。民谷伊右衛門をどこまでも追って行く、『四谷怪談』の「お岩さん」はこちらです。

「お化け」は、その土地や物に憑くもので、地縛霊に近く、誰が通っても出るものです。井戸にしか出てこられない『皿屋敷伝説』の「お菊さん」はこれにあたります。

…<中略>…

 お化けには、変化するものとしないものがあります。狐、狸、雪女、ろくろ首が普段人や獣のなりをしていて他のものに変わるのに対して、河童、天狗、ぬらりひょん、砂かけばばあなどは、常に同じ格好で出てきます。これらをお化けと区別して「妖怪」と呼びます。

(『お江戸でござる』P.182より)

つまり、畠中恵さんの『しゃばけ』シリーズに出てくる、手代の佐助や仁吉はお化けで、鳴家は妖怪ということになるのかな。

しゃばけ (新潮文庫)

しゃばけ (新潮文庫)

ともかく、杉浦さんの江戸入門書は、いずれも江戸への愛にあふれている。人情味豊かで、物を大切にする、ストレス社会とは縁遠い江戸の庶民の生活が生き生きと描かれている。本を読んでいる間、われわれはそのユートピアのような江戸にいることができる。