何でも三十八文の江戸の百均、看板娘お瑛の細腕繁盛記

五弁の秋花 みとや・お瑛仕入帖梶よう子さんの人情時代小説、『五弁の秋花 みとや・お瑛仕入帖』(新潮文庫)を入手しました。

食べ物以外ならなんでも扱う三十八文均一の店、『みとや』を、お瑛と長太郎の兄妹が切り盛りする、人情繁盛記「みとや・お瑛仕入帖」の第二弾です。

二人は、文化四年(1807)に起きた永代橋の崩落事故で両親を失い、日本橋室町にあった『濱野屋』という小間物屋の実家も、叔父益次によって借金まみれにされえt人でに渡してしまいました。

看板娘のお瑛と兄の長太郎が切り盛りする雑貨屋『みとや』。一律三十八文が売りの小さな店だが、のんきな兄が鼻高々で仕入れてくるのは、おかしな品ばかり。大量の黄表紙、煙臭い市松人形、小花の簪、山ほどの下駄。訳あり品に秘められた下町人情、意外な縁、嫉妬の罠とは……。時代小説の名手が、背負った過去にも負けずに生きる人々の姿を、しみじみと描き出す。好評シリーズ第二弾。
(文庫カバー裏の紹介文より)

今回も兄の長太郎が仕入れてきたおかしな品から、騒動が起こる予感。

三十八文というと、かけそば二杯と湯屋代を足したくらいの銭と言いますから、現代のお金では千円くらいのイメージでしょうか。

『みとや』では、傘や足袋、煙管や櫛、簪、鍋釜、筆といった具合に、それなりの品物がそろっています。いわば、江戸の百均というか、その高級版「3 COINS」のような三百円ショップと考えたらよさそうです。

「なんでもかでも三十八文。あぶりこかな網三十八文。枕、かんざし三十八文。はしからはしまで三十八文」
(『五弁の秋花 みとや・お瑛仕入帖』「鼻下長物語」P.19 より)

今日も、浅草橋から延びた蔵前通りと交わる路地を入った茅町一丁目の『みとや』では、早口言葉のようなお瑛の売り声が響きます。

目次
鼻下長物語
とんとん、かん
市松のこころ
五弁の秋花
こっぽりの鈴
足袋のこはぜ
解説 中江有里

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『五弁の秋花 みとや・お瑛仕入帖』(梶よう子・新潮文庫)(第2作)
『ご破算で願いましては みとや・お瑛仕入帖』(梶よう子・新潮文庫)(第1作)

梶よう子|時代小説ガイド
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