旗本vs.外様大名、勝ったのはどっち?

今、池宮彰一郎さんの『天下騒乱 鍵屋ノ辻』を読んでいる。この物語を読んでいると、江戸初期の幕府の統治方針や武士たちの処世観がよくわかり興味深い。140年にわたる戦国時代の終焉がもたらしたものとは何か?

作者の池宮さんは、戦がなくなることにより、生産・消費が沈静化した後のデフレを防ぐために、徳川家康と石田三成の間で天下を二分する関ヶ原の合戦が行われたという。その勝ち組である外様大名には負けた側の領地を与えられ財源を独占させ、築城や町づくりなど、大規模な土木工事を申し付けて、金を吐き出させられることで、雇用を拡大し商工業活動を高め、金を循環させることで、新体制を乗り切ろうとしたとしていた。

そして、家康は外様大名には思い切った気前良さで封禄を与えたが、政務に関与させず権力から遠ざけた。譜代や旗本など三河以来の家臣たちには、薄禄の代わりに、権威・権力を委ねた。この支配の二重構造が『天下騒乱 鍵屋ノ辻』のテーマ、旗本と外様大名の意地の張り合い、天下騒乱への緊張につながっている。

この物語で描かれる「鍵屋の辻の決闘」とは、寛永十一年十一月七日、元岡山藩士渡辺数馬とその義兄荒木又右衛門が、数馬の弟で岡山藩主池田忠雄の小姓を務める渡辺源太夫の仇である元岡山藩士河合又五郎を伊賀国上野の鍵屋の辻で討った事件。「伊賀越の仇討ち」ともいわれる。仇討ちは、子が父の仇を討つ、あるいは弟が兄の仇を討つという場合のみ公に認められた。渡辺数馬の場合のように、兄が弟の仇を討つというのは認められていないため、決闘という表現のほうが正しいように思われる。

ともかく、ブログを終えて物語の続きに戻ろう。

天下騒乱 鍵屋ノ辻(上) (角川文庫)

天下騒乱 鍵屋ノ辻(上) (角川文庫)

天下騒乱 鍵屋ノ辻(下) (角川文庫)

天下騒乱 鍵屋ノ辻(下) (角川文庫)