【新着本】双葉文庫2025年8月の新刊。奥方様と姫様が大活躍!

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『入るを増やして出ずるを為せ 奥様姫様捕物綴り(三)』
『おれは一万石 世子の守札』
『新・浪人若さま 新見左近(二十) 天馬の野望』

双葉文庫の2025年8月の新刊をご紹介いたします。
今月は、前月に続いて二カ月連続刊行となる千野隆司(ちの・たかし)さんの『おれは一万石 世子の守札』佐々木裕一(ささき・ゆういち)さんの『新・浪人若さま 新見左近(二十) 天馬の野望』といったベストセラーシリーズに加え、山本巧次(やまもと・こうじ)さんの注目シリーズ第3弾、『入るを増やして出ずるを為せ 奥様姫様捕物綴り(三)』が登場します。

『入るを増やして出ずるを為せ 奥様姫様捕物綴り(三)』

入るを増やして出ずるを為せ 奥様姫様捕物綴り(三) (双葉文庫)山本巧次
双葉社・双葉文庫

カバーデザイン:bookwall
カバーイラストレーション:田尻真弓

ここに注目!
2025年8月 『関ケ原の亡霊 新九郎 古今捕物控』光文社文庫
2025年8月 本書
2025年6月 『千夏の時 蘭学小町の捕物帖』幻冬舎時代小説文庫
2025年5月 『角を曲がれば謎がある 大奥様陽だまり事件帖』徳間文庫
2025年1月 『戦国快盗 嵐丸 朝倉家をカモれ』講談社文庫
2025年1月 『奥様姫様捕物綴り(二) 本読む者は人目を忍べ』双葉文庫

近年の文庫書き下ろし時代小説において、著者の活躍が目覚ましく、その勢いから目が離せません。いずれもシリーズ作品で、個性豊かなキャラクターたちが活躍し、読み出したら止まらない魅力にあふれています。また、「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」シリーズも、年に一度のペースで刊行され、読者を楽しませています。

本シリーズは、美濃御丈(みのみたけ)藩四万石の藩主・牧瀬内膳正忠基の正室・彩智(さち)と、その娘・佳奈姫が屋敷を飛び出し、得意の刀を振るって活躍する痛快時代小説です。

彩智の弟・正泰が養子として入った下総猿原(さはら)藩で、江戸留守居役が切腹したという知らせが届きます。新田開発資金から五百両を横領したというのです。

弟を案じる彩智は、頭脳明晰な佳奈姫とともに翌日には堀川家へ見舞いに向かい、藩主である正泰から事情を聞き出します。そして、苦境にある弟を救うため、新田開発に絡む闇を探り、真相を明らかにしようと行動を開始します。
刀を差した若衆姿を好む彩智の豪快さが魅力的で、奥様と姫様の奔放な活躍にワクワクが止まりません。

あらすじ

美濃御丈藩の実弟にあたる堀川正泰が藩主を務める下総猿原藩で、江戸留守居役が切腹する事件が発生。しかも、新田開発に伴う公金横領の責任を負ったという遺書まで残されていました。これを一大事と受け止めた彩智は、娘の佳奈姫を伴い正泰のもとを訪れ、事件の真相を明らかにすることを約束します。そんな中、藩に金を貸していた両替商が自死したという知らせも入り……。無敵の奥方様と姫様が大名家の難事に立ち向かう、痛快時代小説第3弾。

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

目次
なし

2025年8月9日 第1刷発行
本文287ページ
文庫書き下ろし

今回取り上げた本


山本巧次|時代小説ガイド
山本巧次|やまもとこうじ|時代小説・作家1960年、和歌山県生まれ。中央大学法学部卒業。鉄道好きで、長年鉄道会社に勤務した経歴を持つ。2015年、第13回「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉となった『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』でデ...

『おれは一万石 世子の守札』

おれは一万石 世子の守札 (双葉文庫)千野隆司
双葉社・双葉文庫

カバーデザイン:重原隆
カバーイラストレーション:松山ゆう

ここに注目!
前巻(第33巻)では、財政難に苦しみながらも、なんとかお国入りの費用を確保した高岡藩。藩主・井上正紀の初めての帰国に、藩士たちも歓喜に包まれていました。

本巻の冒頭では、高岡藩上屋敷の庭に届いたばかりの竪弓と弩瓢(どひょう)が置かれ、お国入りの準備が着々と進んでいる様子が描かれています。

「弩瓢には、井上家の黒餅に八つ鷹羽の家紋が入っている」という描写からは、井上家の誇りが感じられます。

しかし、そんな折、高岡藩領内で得体の知れない疫病が発生し、江戸から戻った藩士も高熱と下痢で倒れてしまいます。藩医によれば、江戸では見られない病であり、高岡河岸に立ち寄った船頭や水主から百姓へと感染が広がっているとのこと。

正紀は、この疫病から藩士や領民を守ることができるのでしょうか。今回も見逃せない展開が続きます。

あらすじ

高松藩士殺しの真相を暴いた功績として、百両分の富札を受け取った井上家。これにより、藩主・井上正紀の初のお国入りに必要な費用の目処が立ち、久々の帰国に藩邸内は喜びに沸いていました。ところが、高岡領内で原因不明の疫病が流行しているとの知らせが届きます。思わぬ災禍に直面しながらも、正紀たちは藩士と領民を救うために奔走します――。 大人気シリーズ第34弾

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

目次
前章 流行り風邪
第一章 四種の薬材
第二章 祠の守り札
第三章 道中川越え
第四章 惑わす祈禱
第五章 領主たる者

2025年8月9日 第1刷発行
本文253ページ
文庫書き下ろし

今回取り上げた本



千野隆司|時代小説ガイド
千野隆司|ちのたかし|時代小説・作家1951年、東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒、出版社勤務を経て作家デビュー。1990年、「夜の道行」で第12回小説推理新人賞受賞。2018年、「おれは一万石」シリーズと「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで...

『新・浪人若さま 新見左近(二十) 天馬の野望』

新・浪人若さま 新見左近(二十) 天馬の野望 (双葉文庫)佐々木裕一
双葉社・双葉文庫

カバーデザイン:長田年伸
カバーイラストレーション:室谷雅子

ここに注目!
文庫の帯には、「累計150万部突破!!!」の文字が掲げられています。これは「浪人若さま新見右近 決定版シリーズ」全14巻を含め、双葉文庫から刊行された計34巻の累計発行部数を指しており、巻を重ねるごとに部数を伸ばし、多くの読者に支持されていることがうかがえます。

本シリーズの最大の魅力は、主人公・新見左近の人物設定にあります。将来、六代将軍となる徳川家宣が、浪人・左近と名乗って市中に繰り出し、秘剣・葵一刀流で悪を成敗しながら、自由な生活を謳歌していく――。高貴な出自を持つ若さまが、庶民を苦しめる悪を討つという、往年の時代劇の王道をゆく展開に心惹かれます。

加えて、幕閣内での権力争いや世継ぎをめぐる政治的な駆け引きなども描かれており、物語の奥行きをより深いものにしています。

本作では、将軍綱吉が何者かに毒を盛られ、血を吐いて床に臥したという報せを受けた左近が、本丸へ急行。柳沢吉保は、この事件の背後に幕府転覆をもくろむ忍びの一族「天魔一族」の存在を示唆します。そして、捕らえた天魔の刺客から引き出された黒幕の名は、にわかには信じがたい人物でした――。

あらすじ

将軍綱吉が何者かに毒を盛られ、血を吐いて倒れました。急ぎ本丸へ駆けつけた左近は、柳沢吉保から意外な話を聞かされます。かつて幕府転覆を企て、三年前に密かに討伐された忍びの一族・天魔が再び動き出したというのです。左近は、ふたたびその陰謀を阻止すべく立ち上がりますが、折しも日ノ本を未曾有の災禍が襲い……。 秘剣・葵一刀流が悪を斬る! 大人気時代小説シリーズ、第20弾。

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

目次
第一話 秘めごと
第二話 葵の鉄砲
第三話 天命
第四話 天魔の野望

2025年8月9日 第1刷発行
本文276ページ
文庫書き下ろし

今回取り上げた本


佐々木裕一|時代小説ガイド
佐々木裕一|ささきゆういち|時代小説・作家1967年、広島県生まれ。2010年より、活躍の舞台を時代小説に移行し、「浪人若さま新見左近」シリーズなどを発表。時代小説SHOW 投稿記事「2018年7月の新刊 下」をアップ|『身代わり若殿 葉月...