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直木賞受賞の時代小説家・杉本章子さん、乳がんで死去

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衝撃を受けた時代小説傑作選『東京新大橋雨中図』で第100回(1988年)直木賞を受賞し、「信太郎人情始末帖」シリーズなどの著作がある時代小説家の、杉本章子さんが、乳がんのため12月4日に死去されました。福岡県出身で、62歳でした。謹んでご冥福をお祈りします。

直木賞受賞作の『東京新大橋雨中図』は、幕臣でありながら、最後の木版浮世絵師と呼ばれた小林清親の半生に光を当てた名作。江戸から明治に移り変わる時代の流れ、風俗、市井の人々が描かれています。この作品で、小林清親と光線画というものを知り興味をもつようになりました。

『写楽まぼろし』『残映』など、謎に満ちた人物にスポットを当てた作品を刊行され、その後、「信太郎人情始末帖」シリーズで人気を集めました。

呉服屋の跡取り息子信太郎は許嫁がありながら、子連れの女と駆け落ちして勘当される。「信太郎人情始末帖」は、市井で暮らす中で信太郎が遭遇する様ざなできごとを体験して成長していく物語であり、家族の絆を描く、深い味わいのある作品でもあります。

11月に亡くなられた宇江佐真理さんに続き、ますます活躍が期待される時代小説家が亡くなられて、とても残念です。お二人にあさのあつこさんを交えた座談会を収録した『衝撃を受けた時代小説傑作選』を読みながら、故人を偲びたいと思います。

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『東京新大橋雨中図』(文春文庫)
『写楽まぼろし』(文春文庫)
『残映』(文藝春秋)
『おすず 信太郎人情始末帖』(文春文庫)
『衝撃を受けた時代小説傑作選』(文春文庫)

【評伝】杉本章子さん、江戸の人情豊かに描く 乳がんで闘病、ホスピスでも執筆|西日本新聞