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海洋時代小説の二宮隆雄さんの死を悼む

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時代小説家で、ヨットレーサーとして知られる二宮隆雄さんが9月9日に心筋梗塞で亡くなられた。61歳だった。二宮さんは、ヨット競技者や解説者として活躍されるかたわら、『覇王の海 海将九鬼嘉隆』や『海援隊烈風録』『風炎の海』などの海をテーマにした時代小説で傑作を発表されてきた。

▼作家の二宮隆雄さん死去

http://www.asahi.com/obituaries/update/0910/NGY200709100002.html
海援隊烈風録 (角川文庫)

海援隊烈風録 (角川文庫)

風炎の海

風炎の海

ヨットレーサーということもあり、どちらかといえば寡作の作家だが、最近は、文庫書き下ろしで『暗闘』『逆襲』など「俊傑江戸始末」シリーズをスタートして、海洋時代小説から、伝奇色の濃い武家抗争ものまで作風を広げて、その面白さ・痛快さに磨きがかかってきただけに、その死が残念でならない。

二宮さんの作品を読み始めたきっかけは、「時代小説SHOW」を始めたばかりの10年ほど前に、「海を感じる時代小説ベスト10」を発表したときに、サイトを見たかたから、「なぜ二宮隆雄さんの作品がランクインしていないのか」と聞かれて、あわてて二宮さんの『千石船風濤録』を読んで、「ああ、こんなに海上でのシーンに臨場感がある時代小説は初めて」と思い、一気にはまってしまった記憶がある。

千石船風濤録

千石船風濤録

未発表の作品があるのかどうか不明だが、絶版になったものも含めて残された作品を丹念に読んでいきたいと思う。

素敵な作品を残してくれてありがとうございます。

謹んでご冥福をお祈りします。

▼二宮隆雄さんのホームページ

二宮隆雄 – 海とヨットをこよなく愛した海洋時代小説家

ご家族の方による、告別式が終わったという書き込みに思わず涙しました。