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鈴木英治さんと剣豪小説

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文庫書き下ろし剣豪小説で、活躍が著しい作家に、鈴木英治さんがいる。1999年に第1回角川春樹小説賞特別賞を『駿府に吹く風』(単行本刊行時に『義元謀殺』に改題)で受賞し、ハルキ文庫で『飢狼の剣』、『闇の剣』(「勘兵衛」シリーズ)、『水斬の剣』(森島新兵衛シリーズ)、『半九郎残影剣』(半九郎シリーズ)を刊行する。

また、中公文庫では『闇討ち斬』など「手習重兵衛」シリーズを、『逃げ水の坂』など「口入屋用心棒」シリーズを発表している。

いずれも剣の遣い手である主人公と凄腕の敵役との行き詰るチャンバラシーンが魅力。ストーリーテリングの名手で、時代ミステリーのジャンルを面白くしている書き手の一人である。

遅ればせながら『無言殺剣 大名討ち』を読んだ。第二弾の『火縄の寺』が発売されたのを機にこのシリーズを読まねばと思った次第だ。

冒頭、土井家の剣術指南役の笹田八之丞と久世家の剣術指南役横山佐十郎の二人の剣士が、将軍の御前で試合を行った。二人の主人である土井大炊頭利直と久世大和守豊広は、同じ譜代で老中の座を争う関係で、古河藩八万石と関宿藩五万八千石と領地も接しているライバルだった。試合は佐十郎の一方的な勝利で、屈辱を負った利直は……。

そんな折、土井家の城下、古河の町に、剣の腕は無類だが、一言も口を発しない謎の浪人が訪れる。無言の浪人に賭場荒らしを取り押さえて助けられた、やくざの親分の三男坊の伊之助は、浪人に「音無黙兵衛」という名を付けて慕い、通訳代わりを務める。黙兵衛のもとに、恐るべき殺しの依頼がもたらされる。殺しの標的は大名久世豊広だった……。

江戸初期を除いて、大名殺しがテーマになる時代小説は珍しく、その構想の大きさにワクワクしながら一気に読み終える。続編にあたる『火縄の寺』が何とも読みたくなった。早速、注文しとこう。