1冊まるごと時代小説

朝刊に『小説現代』8月号の広告が載っていた。時代小説の大特集で、浅田次郎さん、宇江佐真理さん、佐藤雅美さん、北原亞以子さん、山本一力さんら、人気の時代小説作家の作品から、岩井三四二さん、山本兼一さん、犬飼六岐さんら新進気鋭の時代小説も押さえていて、ヨダレものだ。中でも気になるのが、児童文学の世界で注目のあさのあつこさんが、時代小説に挑戦した読み切り短編だ。

垂涎のラインナップというと、『花ふぶき―時代小説傑作選 (時代小説文庫)』も、現役で注目される実力派作家の作品ばかりを押さえている。乙川優三郎さん、諸田玲子さん、山本一力さんといった人気どころから、直木賞作家の高橋義夫さん、杉本章子さんから、近年活躍が著しい佐伯泰英さん、鈴木英治さんの書き下ろしを収めているのがすごい。そこに、『鷺の墓 (時代小説文庫)』が面白かった今井絵美子さんの書き下ろし作品をあえて含めている、選者・結城信孝さんの選択眼が素晴らしい。

どこから読んでも楽しめる時代小説アンソロジーだ。普通、アンソロジーというと、一人か二人は、なんでこの作品がということがあるものだが…。はずれがなく、文芸誌感覚でいろいろな味の時代小説が堪能できる作品集。期待したい。

小説現代

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