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信長を将軍に!本能寺の変に至る、光秀と秀吉の心理戦

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光秀夢幻太田満明(おおたみつあき)さんの時代小説デビュー作、『光秀夢幻』(実業之日本社文庫)を入手しました。

本書カバー袖に記載されたプロフィールによると、著者は兵庫教育大学大学院修士課程修了で、修士論文は司馬遼太郎の作品論だそうです。『桶狭間の真実』(2007年、ベスト新書)などの歴史読み物を発表していて、本書が小説家としてデビュー作になります。

主君・織田信長が征夷大将軍の職を戴くための朝廷工作を秘密裡に始めた明智光秀。そこには、平和のうちに天下統一を果たすという大いなる野望があった。しかし、毛利攻めで戦の場にあった羽柴秀吉がその企みを知った瞬間から、計画は狂いを生じ始める――本能寺の変に至る光秀の戦いとその心理的葛藤を、圧倒的密度で描く、驚嘆のデビュー長編。
(カバー裏の紹介文より)

光秀が安土城の天守の最上階で信長から、「わしは征夷大将軍になれるか」と問われた時から、光秀の夢幻が始まります。

(光秀は、このような戦を起こさぬために、信長様を公方にしようとしていた)
 輿と具足をしとどに濡らす雨をも忘れて思ったのだ。
(その企てを、われらが潰えさせて、今まさに光秀を滅ぼそうとしている)
 実は官兵衛は、光秀の考え出した天下平定策にこの上ない光彩を感じていた。憎むべき謀叛人は、実はほんの一月前までは、信長を将軍にすえ、その威光で敵を畏服させ、平和裡に天下を平均せんとしていた。それゆえ、光秀の企てを自分たちが打ち毀したことに、官兵衛は深い悔恨を抱いていた。

(『光秀夢幻』P.18より)

天正十年六月十三日、山崎で明智方を破った羽柴方の黒田官兵衛は、複雑な思いを抱きながら、光秀の謀事を回顧していきます……。

戦国最大の謎である本能寺の変に、歴史通の新人作家が挑みます。綿密な歴史考証とそこから導かれた大胆な仮説をもとにした物語に、ワクワク感が高まっています。

●目次
序の一 夢幻のはじまり
序の二 その半年後
序の三 天正十年六月十三日 山崎
一 北国街道
二 勝報
三 甲斐の陣
四 勅使
五 境目七城
六 権術
七 使僧
八 城攻め
九 隆景
十 湖上の宴
十一 国切り
十二 水攻め
十三 堤防
十四 夢幻の終焉
十五 賭物
十六 本能寺
あとがき
解説 縄田一男

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『光秀夢幻』 (太田満明・実業之日本社文庫)

太田満明|時代小説リスト
太田満明|おおたみつあき|時代小説・作家1960年兵庫県生まれ。大阪教育大学卒、兵庫教育大学大学院修士課程修了。2019年、『光秀夢幻』で小説家デビュー。■時代小説SHOW 投稿記事amzn_assoc_ad_type ="responsi...