東京国立近代美術館の安田靫彦展に行ってきました

安田靫彦展(東京国立近代美術館)竹橋にある東京国立近代美術館に、「安田靫彦展」(会期:2016年3月23日-2016年5月15日)を見に行ってきました。

安田靫彦(やすだゆきひこ 1884-1978)さんは、ヤマトタケル、聖徳太子、源頼朝、源義経、織田信長、豊臣秀吉、宮本武蔵などの時代の歴史上のヒーローを描いた作品で知られる、日本画家です。

生き別れていた兄、頼朝のもとに、奥州から馳せ参じた義経を描いた屏風画『黄瀬川陣(きせがわのじん)』は、『吾妻鏡』に主題を得た作品。深い古典研究の上に成り立つ、描写の的確さと表現力に目を奪われます。しかしながら、挙国一致の体制下で戦争に向かう時代に、時局画としても高い評価を受け、大政翼賛会国民指導部のポスターにも利用されたという面もあったそうです。

『王昭君』『飛鳥の春の額田王』など歴史上の美女たちを華やかに、たおやかに描き、日本画の奥深さを豊潤さを感じさせます。服飾や装飾品、武具のディテールまで史実に沿って描かれ、彼の描く秀吉や頼朝などは、小さい頃に教科書で見たイメージのままで、懐かしさでいっぱいです。

安田靫彦さんは、平岩弓枝さんの時代小説「御宿かわせみ」(初期のもの)や「はやぶさ新八御用帳」の装画や挿絵画家として活躍された佐多芳郎(さたよしろう 1922-1997)さんの師としても知られています。佐多さんは、エッセイ集『風霜の中で―私の絵筆日記』で、安田さんとの思い出を綴られていました。

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『安田靫彦』(日本アートセンター編・新潮日本美術文庫)
『風霜の中で―私の絵筆日記』(佐多芳郎・中公文庫)

安田靫彦展|東京国立近代美術館