闇の請負人“裏人”が悪を斬る

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花家圭太郎さんの『無用庵日乗 上野不忍無縁坂』を読了。池波正太郎さんの「藤枝梅安」シリーズを想起させる、裏社会の仕掛け人(本作品では裏人)の元締・治兵衛が主人公。

池波作品では、「ツル」とか「仕掛け」とか「おつとめ」とか独自の言葉が使われ、雰囲気を盛り上げたが、本作品でも、「一富士、二鷹、三茄子」という符牒が使われる。フジは裏仕事の依頼人、タカはフジの言い分に嘘偽りがないかどうか裏を取る者、ナスビは始末する相手を指す。また、料理法(始末する方法)は、煮る(殺)、焼く(懲)、漬け物(閉)と呼んだ。

魚問屋の隠居・雁金屋治兵衛は、塩原へ湯治に出かけた帰りに、馬庭念流の遣い手、田代十兵衛と出会う。十兵衛は、不義駆け落ちをした妻と弟を捜して流浪の旅を続けていた。意気投合した二人は、江戸・上野の隠宅・無用庵で暮らすことに。江戸に戻った治兵衛のもと、闇の仕事の依頼が…。

治兵衛の闇の仕事ぶりと十兵衛の女敵討ちの行方が描かれるシリーズ第一弾。明記はされていないが、明和二年(1765)ごろが物語の描かれた時代か。

上野不忍無縁坂―無用庵日乗 (双葉文庫)

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新装版・殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一) (講談社文庫)

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