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天童にて、肖像画の織田信長に出会う

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明和絵暦(新潮文庫)南東北の旅の3日目は、山形駅から天童駅にやってきました。

天童市は、将棋の駒が伝統工芸品として有名で、天童駅に隣接して天童市将棋資料館があります。また、駅から徒歩10分程度に天童温泉街があり、観光に便利です。
近年は山形市のベッドタウンとして発展しています。

さて、天保元年(1830年)に織田信長の次男・織田信雄を祖とする織田家が出羽国高畠藩より、天童に移って天童藩を立藩しました。

明和四年(1767年)、織田家は上野国小幡から、山県大弐の明和事件に連座して藩主信邦は蟄居処分となり、信邦の後を継いだ養嗣子・信浮は出羽国高畠藩へ移されました。

明和事件が登場する時代小説を紹介します。
山本周五郎さんの『明和絵暦(新潮文庫)』は、小幡織田藩の青年藩士たちを活写しています。
諸田玲子さんの『氷葬(文春文庫)』は、歴史的な事件の裏で、活躍する下級武士の妻がサスペンスたっぷりに描かれています。

天童の観光では、舞鶴山に築かれた天童城跡(天童市舞鶴山公園)と、織田信長を祀った建勲神社(たけいさおじんじゃ/けんくんじんじゃ)、旧東村山郡役所資料館を見て回りました。
旧東村山郡役所資料館
[map addr=”山形県天童市五日町2丁目4−8”]

織田信長の肖像画旧東村山郡役所資料館では、織田信長肖像画のポストカードを入手しました。
当時、宣教師が描いた肖像画で信長に最も似ていると伝えられているもので、それを明治の中頃、天童織田藩出身の宮中写真師大武丈夫が複写したものです。織田宗家の菩提寺である天童市の三宝寺に所蔵されています。

旧東村山郡役所資料館

幕末、天童藩は新政府から奥羽鎮撫使先導に任じられ、織田氏家老の吉田大八が新政府軍の奥州の道案内役を務めることとなりました。

吉田は庄内藩と戦いますが、大敗を喫し、天童城下は焼き討ちに遭います。奥羽越列藩同盟が結成されると、天童藩も同盟軍として参戦せざるを得なくなり、吉田は切腹させられました。やがて新政府軍の反攻に遭って降伏。新政府の処断により、藩主・織田信敏は隠居し、所領2000石を没収されました。

小藩ゆえの悲哀を感じますが、戊辰戦争終結後、吉田大八はその業績が高く評価されます。吉田大八を題材とした幕末小説があれば、読んでみたいと思いました。

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『明和絵暦(新潮文庫)』(山本周五郎)
『氷葬(文春文庫)』(諸田玲子)