妻恋神社近くを舞台にした、心を癒す料理時代小説

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妻恋稲荷 煮売屋ごよみ五十嵐佳子(いがらしけいこ)さんの『妻恋稲荷 煮売屋ごよみ』が白泉社招き猫文庫より刊行されました。

江戸・妻恋町の五軒長屋の一角に、煮売屋が店開きした。看板メニューは稲荷寿司と日替わりのお惣菜。人びとの舌をほっこりさせる味は、店主の駒が亡き夫から伝授されたものだった。料理と向き合う日々を過ごすうち、駒は少しずつ夫を失った哀しみから立ち直っていく……。

妻恋神社(つまこいじんじゃ)は、神田明神と湯島天神のちょうど真ん中あたりにある小さな神社です。同社には、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の折、大暴風雨に遭い、妃の弟橘媛(おとたちばなひめ)が身を投げて海神を鎮め、尊は房総に上陸ができ、東国を平定したという、そして帰路、湯島の地に滞在して亡き妻を慕ったという謂れがあります。

煮売屋(にうりや)とは、江戸時代のお惣菜屋さんのこと。煮魚・煮豆・煮染など、すぐに食べられる形に調理した惣菜を販売していました。

岡本綺堂の「半七捕物帳」を若い人にも読みやすい文体で再編集した、『半七捕物帳 リミックス!』で注目の五十嵐さんの文庫書き下ろし作品です。

そういえば、風野真知雄さんの『妻は、くノ一』で主人公・雙星彦馬が暮らす町も妻恋町でした。神田明神や湯島天神のお参りの際に、作品の舞台に少しだけ足を延ばしてみるのも良いかもしれません。

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『妻恋稲荷 煮売屋ごよみ』
『半七捕物帳 リミックス!』
『妻は、くノ一』(風野真知雄著)