北陸発の歴史・時代小説同人誌『櫻坂』

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『櫻坂』第14集、第15集
石川県在住の歴史小説家の剣町柳一郎さんから、歴史・時代小説の同人誌『櫻坂』を献本いただいた。

『櫻坂』十五集では、編集人の剣町さんはじめ、十数名の同人の方が、金沢城下を中心に、加賀、能登、越中、越前の国々を主舞台・テーマとし、読み切りの歴史・時代小説や歴史小論文を発表しています。それぞれの筆者の地元への愛情や歴史への造詣の深さが垣間見れる良質な作品ばかりでした。

百万石の加賀藩を有しながら、明治以降の中央偏重の史観からか、歴史の表舞台に出ることが多くない地域。歴史・時代小説でも舞台になることは少なく、近年では、安部龍太郎さんが描く『等伯』の出身地として注目されたぐらいで、私自身も、率直に言えば関心を持っていなかった。

葉室麟さんの作品を通じて、江戸時代の九州の政治や文化、人物に関心を持ち始められたように、すぐれた時代小説を読むことで、北陸の地と縁ができて、その地を大いに楽しめればいいなあと思っています。