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「火花の大八」参る

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高橋義夫さんの『花輪大八湯守り日記 湯けむり浄土』を、通勤電車の中で読んでいる。私闘を咎められて勘当同然に、新庄領外れの山深い湯治場・肘折の湯守り役を命じられた主人公、花輪大八。湯守りとは温泉を管理する村役である。

新庄藩の在郷の代官を務める六十石の家柄の次男坊で、「火花の大八」の異名をもつ。大八の左の額に古い傷跡があり、燧の火花の形に似ているが、同年輩の友だちが火花と呼ぶのは、すぐにかっとなる大八の性格にも由来するものだった。

ひなびた温泉場に、城下から二十歳の若者がやってくる。勤番の勘兵衛や代官所の手先・合間の伝兵衛など、一筋縄ではいかない連中といわくありげな湯治客たちと、騒動を起こしながら成長していく。作品全編にユーモアがあり、どこか『坊っちゃん』を想起させてくれて読み味がよい。

こころ 坊っちゃん (文春文庫―現代日本文学館)

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