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甲賀忍者の末裔が火盗改役に就き、江戸の安寧を守る

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影の火盗犯科帳(一)七つの送り火『私が愛したサムライの娘』で注目される、鳴神響一(なるかみきょういち)さんの文庫書き下ろし時代小説、『影の火盗犯科帳(一)七つの送り火』がハルキ文庫・時代小説文庫より刊行されました。

公儀直属の御先手鉄砲組頭の山岡五郎作景之(かげゆき)は、ある夜、白金台の刈田の中で卒塔婆に縛り付けられた娘の亡骸に遭遇した。翌日、火付盗賊改役就任の内意を告げられた景之は、さっそく娘の死について調べることに。甲賀忍者伴氏の末裔である山岡家は、家臣の中でとくに忍術に長けた者を選び抜き、密かに「影火盗組」を組織していた。景之は、火盗改方と「影火盗組」を率いて、次々に起こる奇怪な事件に立ち向かう……。

鳴神さんは、『私が愛したサムライの娘』で第6回(2014年)角川春樹小説賞と第3回(2015年)野村胡堂文学賞を受賞し、二作目の『鬼船の城塞』でさらにパワーアップした面白さを発揮し、新進気鋭の時代小説家の一人です。

本作の主人公、山岡五郎作(後に豊前守)景之は実在の人物(正徳3-明和3年)で、甲賀忍者伴氏の末裔。ウィキペディアによると、宝暦六年(1756)に火付盗賊改役に就いています。

捕物帖と忍者小説の両方の面白さが一度に楽しめそうな、もってこいの主人公を設定したことで、シリーズの成功が半ば約束されたような感じがします。

『鬼平犯科帳』の長谷川平蔵(宣以)よりも前の時代に、民のために世の安寧を守るために、悪に立ち向かった新ヒーローの活躍を楽しみたいと思います。

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『影の火盗犯科帳(一)七つの送り火』
『私が愛したサムライの娘』
『鬼船の城塞』(単行本)

山岡景之 (豊前守)|ウィキペディア