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南蛮渡来の手鏡が映す、歴史を動かした人たちの素顔

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ぎやまん物語2013年3月に亡くなられた北原亞以子さんの『ぎやまん物語』(文春文庫)。単行本に未収録の4編を加えた全17編を、本書と『あこがれ 続・ぎやまん物語』に2冊に分けて収録しています。没後3年近くが経過して、文庫の新刊に出合えるのはうれしいです。

秀吉への貢ぎ物としてポルトガルの宣教師から贈られた、南蛮渡来のぎやまんの手鏡。於祢から淀君、お江へ、さらには尾形光琳や赤穂義士らの手へと経めぐり、戦国末期から江戸時代を生きた人びとの心模様を映し出していく……。

南蛮渡来の手鏡を媒介に、時代を超えてそれを手にした者たちの人生模様を描いていく珍しい形の連作時代小説。鏡が語り手になり、自分を覗き込む者の容貌や表情を映し出すだけでなく、その者の内面をも描き出していくところが何とも怖くもあり、面白くもあります。

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『ぎやまん物語』
『あこがれ 続・ぎやまん物語』