2020年単行本時代小説ベスト10、公開

時代小説を楽しむための江戸切絵図

時代小説と江戸切絵図のコラボレーションを目指した、『時代小説の舞台を見に行く 嘉永・慶応 新・江戸切絵図』を手にして、日々ページを眺めて楽しんでいる。長年の夢の一つが叶った気分。

本書は、5年前に人文社から刊行された『江戸時代小説はやわかり 江戸の暮らしがよくわかる』の姉妹編といったところだが、よりパワーアップしている。今回、時代小説コラムを担当し、おすすめの時代小説を紹介する原稿を書いた。

手前味噌ではあるが、『嘉永・慶応 新・江戸切絵図』を『江戸時代小説はやわかり』と比較しながら、本書の特長を紹介したい。

1.サイズがB5判より一回り大きいA4判になった

本のサイズが大きくなったことで、尾張屋板江戸切絵図も可能な限り大きく収録している。町が密集している「日本橋北内神田両国浜町明細絵図」でも地名が何とか読めるようになった。

2.切絵図に関連した時代小説コラムが3倍に増えた

一枚の切絵図につき、3つのスポットを取り上げ、そこに関連したコラムを掲載している。コラムでは江戸の人物、事件、場所、風物、役職、文化などを解説している。通して読むと、江戸時代全体が俯瞰できるように、題材を選んでいる。

3.取り上げる時代小説の数は130作品以上

一枚の切絵図につき、3つのスポットを選定して、そのスポットを舞台にした時代小説作品を紹介している。おすすめの時代小説を100本紹介すること(ベスト100)を目標にしていたが、コラムを書き終えてみると、その数は130本を超えていた。

文字数やエリア、本数など制約がある中で、面白い時代小説を紹介する作業は、今まで時代小説を読んできて培った知識をアウトプットできる、とても面白い経験だった。

まず、書店で現物を手にとって見てください。美麗な尾張屋板の江戸切絵図は、きっとほしくなると思う。ちょっと高い(1,785円)かもしれないので、何かの折に自分へのご褒美という形で買ってもらえるとうれしい。