「北の御番所 反骨日録」シリーズ|芝村凉也|双葉文庫
「時代小説SHOW」の2023年時代小説ベスト10【文庫書き下ろし部門】を発表しました。
Amazonでの発売日もしくは奥付表記が2022年11月1日から2023年10月31日発行の時代小説作品(シリーズ)で、文庫書き下ろし(文庫オリジナル)作品を対象に選びました。
単行本の文庫化は対象外としています。
1位 『「北の御番所 反骨日録」シリーズ』 芝村凉也さん(双葉文庫)
2023年5月に『イクサガミ 地』を読んだときには、天の巻を凌駕するエンタメ性に圧倒され、文庫書き下ろし部門の1位は年連続で今村翔吾さんに決まりと確信していました。
ところが、2021年3位、2022年6位と、これまでも高く評価していた、「北の御番所 反骨日録」シリーズがやっぱり面白いと考え直しました。
今回のベスト10の対象期間中には3タイトル(『(六)冬の縁談』『(七)辻斬り顚末』『(八)捕り違え』が出ていて、巻を重ね、面白さが賊服されていくことはシリーズもの醍醐味であり、1位に推しました。
2024年1月時点で『(九)廓証文』まで刊行されていて、どの巻も、大向こうをうならせるようなケレン味はありませんが、論理的な推理と奉行所組織内の人間関係がしっかり描かれていて、ビジネスパーソンが通勤の合間に読んで楽しめる、完成度の高い「奉行所小説」となっています。
このシリーズをこれから読まれる方は、1巻から読まれることをおすすめします。
ベスト10の選考理由と、2位以下の作品については、「2022年時代小説ベスト10【文庫書き下ろし部門】」をご覧ください。
2023年時代小説ベスト10【文庫書き下ろし部門】
2023年おすすめの時代小説ベスト10(文庫)「時代小説SHOW」による、2023年時代小説ベスト10【文庫書き下ろし部門】を発表します。対象は、Amazonでの発売日もしくは奥付表記が2022年11月1日から2023年10月31日発行の時...
なお、時代小説ベスト10【単行本部門】も近日中に発表できるように頑張ります。
乞うご期待ください。
■今回取り上げた本
芝村凉也|時代小説ガイド
芝村凉也|しばむらりょうや|時代小説・作家1961年宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年、「返り忠兵衛 江戸見聞」シリーズにてデビュー。時代小説SHOW 投稿記事『迷い熊帰る 長屋道場騒動記(一)』|心優しき巨躯の剣士「迷い...