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磐音とおこんの祝言と五人の刺客

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シリーズ660万部を超えた、超人気時代小説「居眠り磐音 江戸双紙」の第24巻『朧夜ノ桜(ろうやのさくら)』を読んだ。

朧夜ノ桜 ─ 居眠り磐音江戸双紙 24 (双葉文庫)

朧夜ノ桜 ─ 居眠り磐音江戸双紙 24 (双葉文庫)

正月十五日、佐々木磐音はおこんとともに、御殿医桂川国瑞と織田桜子の祝言に列席するため、麻布広尾村に出向いた。折りしも、界隈には野犬組と称する浪人たちが徒党を組んで、通りがかりの人に因縁をつけて金品を強奪する事件が横行していた…。

冒頭から磐音の居眠り剣法が炸裂する痛快なシーンが楽しめる。今回の見どころは将軍家を影ながら守護する佐々木家を継いだ磐音の存在を邪魔に思う田沼意次の意をくんだ家臣が五人の刺客を放ったところ。

 一番手 琉球古武術 松村安神

 二番手 タイ捨流 河西勝助義房

 三番手 平内流 久米仁王蓬莱

 四番手 独創二天一流 橘右馬介忠世

 五番手 薩摩示現流 愛甲次太夫新輔

蓬田やすひろさんの表紙装画は、磐音と左右の手に南蛮鉤を持った琉球古武術の達人松村安神との対決シーンが描かれている。

もう一つのクライマックスは、磐音とおこんの祝言のシーン。1巻の中に、二つの祝言のシーンを描いてるが、華やかな中に凛とした清々しさがあるものと無骨だが心温まる感動的なものと好対照である。

三味線造りの名人の家に生まれたが、香具師の息子に父と兄と恋人を殺され、その仇を見事に討ち、旅に出ていた鶴吉が四年ぶりに、磐音の前に現れたことがファンにはうれしいところ。

「老分どの、最前の話、おこんさんが今津屋に奉公に上がったのはいつのことです」

 磐音はおこんの気持ちを解そうと再び昔話を持ち出した。

「たしか明和五年の夏でしたな。初夏に寛永通宝の真鍮四文銭の波銭が出回り始めた年です。…」

(中略)

「城山土取場での老分さんとの出会いがなければ、私は深川で暮らしていたかもしれません」

(『朧夜ノ桜』P.157より)

なお、この巻は同時に発売された『居眠り磐音 江戸双紙読本』に収録された番外編の「跡継ぎ」とリンクしている。こちらも続けて読みたい。

「居眠り磐音江戸双紙」読本 (双葉文庫)

「居眠り磐音江戸双紙」読本 (双葉文庫)

「居眠り磐音 江戸双紙」公式サイト

http://inemuriiwane.jp/