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僧兵の末裔? 神灯目付役

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澤田ふじ子さんの『真葛ヶ原の決闘』を読み始めた。「祇園社神灯事件簿」シリーズの第三弾である。

主人公の植松頼助(うえまつよりすけ)は、祇園社の警固を務める神灯目付役の一人である。祇園社境内だけではなく、四条をはじめ市中の各所に点在する御旅所など、同社に関わるさまざまな施設の見回りにも当たった。さらに、同社の氏子ともいえる京の町の人々の安寧を守るという役目も担っていた。

そのため、このシリーズでは、京の町の人の難儀を助ける、頼助と孫市ら神灯目付役の活躍ぶりが一話完結の連作形式で描かれている。

室町から江戸時代にかけては、神仏を習合させていたので、祇園社は犬神人(いぬじにん)や僧兵など武力を備えた集団を、界隈に何百人と集住させていたという。しかし、平和な時代が長く続き、江戸時代中期になると、武力はなんら必要ではなくなってきた。そこで、境内の警備、本殿や拝殿、摂社に点される明かりや灯籠の火を見廻る役として、神灯目付役だけはわずかに残された。

頼助は従三位左中将植松雅久の庶子で、母は三条富小路の瀬戸物屋「竹田屋」に奉公する女子衆であったが、彼を生んでまもなく産後の肥立ちが悪くて亡くなっていた。少年のころ、父雅久の正妻が嫉妬のあまり、頼助を亡き者にしようと元出石藩士の村国惣十郎を刺客として放った。当時十一歳の頼助は、雅久の正妻の目を恐れ、鞍馬の奥の百井村で、竹田屋で働いていた百井村出身の九兵衛夫婦に育てられていた……。

この辺の話は、第一作の『奇妙な刺客』で描かれていた部分であるが、この巻の冒頭で要領よく説明されていて、ああ、そういうストーリーだったなと記憶がよみがえった。

さて、僧兵というと、白河法皇の自分の意のままにならないもののたとえとして「賀茂川の水 双六の賽 山法師」と挙げられた、荒法師のイメージが強くヒールな感じがする。しかし、祇園祭の浄妙山(じょうみょうやま)の神体のモデルとなった筒井浄妙のように京の人々に親しまれた僧兵もある。そういえば、武蔵坊弁慶も僧兵だった。

祇園祭の浄妙山

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祇園祭の山鉾「浄妙山(じょうみょうやま)」のご紹介をいたします。中京区六角通烏丸西入ル。