十干って難しくて苦手

宇江佐真理さんの最新文庫『涙堂 琴女癸酉日記 (講談社文庫)』を入手する。タイトルに書かれた「癸酉(きゆう)」は十干と十二支を組み合わせて表記する干支で、「みずのと・とり」のこと。とはいえ、何番目を指すのかよくわからない。

古代の中国の思想で世の中はすべて、「木」「火」「土」「金」「水」の五つからなるという五行説と、すべては「陰」と「陽」に分けられるという陰陽道の思想が結びつき、陰陽五行説が生まれた。十干は、この陰陽五行説に由来する。

「陽」を「兄(え)」、「陰」を「弟(と)」で表し、「木の兄(きのえ)」=「甲(きのえ)」、「木の弟」=「乙(きのと)」と読むようにした。以下、「丙(ひのえ」「丁(ひのと)」「戊(つちのえ)」「己(つちのと)」「庚(かのえ)「辛(かのと)」「壬(みずのえ)」「癸(みずのと)」となる。

十干と十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)を組み合わせたものが六十干支で、60年周期で一回りする。ちなみに一回りすることを還暦と呼ぶ。「癸酉」は十番目を指し、物語の中では「文化癸酉」と記されているので、文化十年(1913)が舞台になっている。「戊辰」戦争とか「辛亥」革命とか「甲子」園球場とか、「庚申」の日とか、「丙午(ひのえうま)」とか、六十干支を使った言葉は多いので、仕組みを理解しておくと便利かもしれない。

涙堂 琴女癸酉日記 (講談社文庫)

涙堂 琴女癸酉日記 (講談社文庫)