時代小説★単行本新刊情報|2024年11月の新刊(1日→末日)
2024年11月1日から11月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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木下昌輝さんの『秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚』
三十万両もの巨額の借財を抱える徳島藩。藩政改革を担ったのは、型破りな人物だった。
徳島藩が抱える三十万両もの巨額の借財。その藩政改革を託されたのは、型破りな人物でした。徳島藩蜂須賀家の物頭である柏木忠兵衛は、新藩主候補の佐竹岩五郎に会うため江戸へ急行。ひっ迫する藩財政を立て直すため、新たなまとめ役が必要とされていました。しかし――。
「政には興味なし」
新藩主となった岩五郎改め、第十代藩主・蜂須賀重喜はそう言い放ちます。家老たちの専横に抗い、藩主の直仕置(直政治)による藩政改革を目指す忠兵衛ら中堅家臣団。対立が激化する中、新藩主が打ち出した驚きの改革案とは? そして、徳島藩を脅かす大がかりな陰謀が待ち受けます。
谷津矢車さんの『憧れ写楽』
わずか10か月で姿を消した謎の絵師「東洲斎写楽」。その写楽に再び筆を取らせたいと願う老舗版元の鶴屋喜右衛門は、「写楽の正体」と噂される猿楽師、斎藤十郎兵衛のもとを訪ねます。
そこで斎藤が明かしたのは、「東洲斎写楽の名で出た絵のうち、幾枚かは自分の絵ではない」という驚愕の事実。しかも、その「描いていない」絵の中には、写楽の代表作とされる「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」も含まれていました。
「写楽は二人いた」――そう知った喜右衛門は、喜多川歌麿と共にもう一人の写楽を探し始めますが、写楽を売り出した張本人・蔦屋重三郎がそれを妨害し始め……。
果たして、本物の写楽の正体とは? 2025年大河ドラマ「べらぼう」と世界観が交差する時代ミステリです。
中路啓太さんの『新皇将門』
下鴨神社の森で暮らす巫女・桔梗が霊視したのは、朝廷が「鬼」と恐れる平将門の姿。善政を志す溌剌とした将門に桔梗は心惹かれますが、運命の悪戯で坂東へ向かうことに。
やがて将門と出会い、寵愛を一心に受ける桔梗。しかし、満たされた日々は長く続かず、彼女は霊の目を通して不穏な影に気づきます。将門の側近である興世王が纏う影に、将門が呑み込まれつつあることを……。
森山光太郎さんの『草莽の臣』
千年にわたり日本を守り抜いた益田一族に焦点を当てた傑作歴史小説。
白村江の戦いから元寇、秀吉の朝鮮出兵、幕末の開国に至るまで、外敵から日本を守るため、山陰の益田家が歴史の裏側で尽力する姿が描かれます。四つの時代を通じて、益田一族の政治、諜報、戦記、文明への志が織り成す壮大な連作集です。
村木嵐さんの『いつかの朔日』
戦乱が巻き起こる室町時代、三河の松平家に囚われの身となった竹千代――後の徳川家康の成長を描きます。熾烈を極める東海地方の覇権争いの中で、数奇な運命を辿りながらも天下人となった家康の姿が、著者の手によって鮮やかに浮かび上がります。
京極夏彦さんの『書楼弔堂 霜夜』
明治40年、花も盛りの東京で、ある青年が書舗「弔堂」を訪れます。名も無き青年・甲野昇。
出版をめぐる事情は、大きく変わりました。鉄道の発展により車内で読書が可能になり、黙読の習慣が生まれました。黙読が定着し、本は商材となり、さらに読みやすくどんな文章にもなれる文字を必要とししました。活字の誕生です。そんな活字の種字を作らんと生きる、取り立てて個性もない名もなき男の人生を描く物語。
羽生飛鳥さんの『賊徒、暁に千里を奔る』
かつて都で恐れられた大盗賊・小殿は、隠居の身となり静かに暮らしていましたが、彼に興味を持つ下級貴族・橘成季や仏師・運慶らが訪れます。小殿が語る不可能とも思える盗みの話に、三人はその謎解きに挑みます。後鳥羽院や慈円など、鎌倉時代の重要人物たちが彩る、伝説の大盗賊を巡る歴史ミステリです。後鳥羽院、慈円、大姫ら鎌倉時代の重要人物たちが彩る、伝説の大盗賊をめぐる歴史ミステリ。
澤田瞳子さんの『孤城 春たり』
備中松山藩で藩校・有終館の学頭(校長)を務めるかたわら、私塾「牛麓舎」を開き、弟子たちの指導に力を注いでいた陽明学者・山田方谷。彼は、10万両もの借財を抱える藩の財政を立て直すため、元締役とその補佐役である吟味役を兼務するよう命じられます。
倹約令や殖産興業、藩札の刷新といった改革により、備中松山藩はわずか7年で借財を完済し、さらに10万両の蓄財を築くことに成功します。
しかし、幕末の激動の波は地方の小藩にも押し寄せます。尊皇攘夷の声が高まる中、藩主・板倉勝静が老中筆頭を務めていたことから、備中松山藩には朝敵として追討令が下されることに……。著者初の幕末小説。
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