時代小説★単行本新刊情報|2024年12月の新刊(1日→末日)
2024年12月1日から12月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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吉川永青さんの『華の蔦重』
豪華絢爛の吉原が業火の海に包まれた明和九年。多くの人が落胆する中、江戸を再び元気にしようと心に決めた男がいました。蔦屋重三郎、通称蔦重です。彼は貸本屋では飽き足らず、地本問屋の株を買い、自ら版元としてさまざまな挑戦を繰り広げます。
「楽しんで生きられたら、憂さなんて感じないで済むんです」――。
面白い書物や美しい浮世絵が世の中を明るくすると信じた彼の熱意は、山東京伝や喜多川歌麿といった人々の心を動かし、江戸を熱狂で包み込んでいきます。
しかし、その道に立ちはだかったのは……。熱気あふれるエンターテインメント歴史小説!
林真理子さんの『皇后は闘うことにした』
「好きでもない女と結婚するのは絶対に嫌だ」「自分たちは宮家に生まれて、あれこれ苦労した」「あの女王さまでは、子どもをお産みになることはできないでしょう」――。
九条家の子女・節子は15歳の時に嫁ぎます。後の大正天皇の后(貞明皇后)となった彼女は、夫が妻を顧みない中、次々と子をもうけますが、そのたびに悲しみを噛みしめることになります。
皇族としての葛藤やさまざまな立場に揺れる心情を描いた5編の短編は、読む者を圧倒する“心の内”が鮮烈に綴られた作品です。これまで描かれることのなかった皇族の姿に迫る、衝撃の短編集。
安部龍太郎さんの『銀嶺のかなた(一) 利家と利長』『銀嶺のかなた(二) 新しい国』
歴史時代小説の第一人者、安部龍太郎の集大成!
戦国末期、前田利家と利長の父子の決断が日本の未来を大きく左右しました。
織田信長と柴田勝家のもとで手柄を立て、「槍の又左」として戦国の世にその名を轟かせた豪傑・前田利家。そして、温厚かつ秀才肌で「上様の近習」となった息子の利長。性格も世代も異なる父子は、時に激しく対立しながらも乱世の荒波を越えていきます。父と子の葛藤と絆を描いた壮大な歴史ドラマ。
西條奈加さんの『牧谿の猿 善人長屋』
表向きは善人ばかり、しかし実態は悪党揃いの善人長屋。そんな長屋に、大事な根付を失くして憔悴するお内儀が訪れます。加助の人助け癖に嘆息する長屋の一同。しかし、その根付がかつて江戸を騒がせた盗賊「白狐」の持ち物と判明し――。
「白狐」や「三枚の絵文」など全6話を収録。粋な情けと謎解きが光る、人気シリーズの最新刊です!
木内昇さんの『雪夢往来』
江戸の人々に雪国の風物や奇談を届けたい。越後塩沢の縮仲買商・鈴木牧之が綴った雪の話は、ほどなく山東京伝の目に留まり、出版の話が進み始めます。しかし板元や仲介者の事情に翻弄され続け――。
後にベストセラーとなる『北越雪譜』誕生までの長い道のりを、京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問いかける本格時代長編。
佐藤雫さんの『行成想歌』
幼い頃に父を失った藤原行成は、平安貴族としての官位栄達を諦めておりました。しかし、一条天皇は行成の人柄に注目され、彼を側近である蔵人頭に任命なさいました。こうして行成は、一条天皇が抱える感情の自制や苦悩に満ちた生涯を間近で見守ることとなります。筆の名手として名高い「三蹟」の一人である行成とその妻、一条天皇と中宮定子、そして清少納言――。互いを信じ、思いやる彼らの姿には、深い愛が感じられます。
権謀術数が渦巻く平安時代を舞台に、〝愛〟を鮮やかに描いた王朝ロマンです。
青山文平さんの『下垣内教授の江戸』
東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館の要職も務めた「日本美術の目利き」と称される下垣内邦雄。関東大震災、金融恐慌、世界恐慌といった激動の時代を生き抜いた彼が、1931年に亡くなります。
4年前の単独取材で、新聞記者の質問に応じた彼は、自らの半生について語り始めました。
「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」――。
幕末から戦前までを駆け抜けた美術家の生涯と、日本近代美術の奥深さを描き切る圧巻の長編時代小説。
天津佳之さんの『菊の剣』
菊と刀を愛した後鳥羽院が目指していたものとは――。刀鍛冶との絆を通して描き出す、これまでの後鳥羽院像を覆す心震える連作短編小説。
伊東潤さんの『夢燈籠 野望の満州』
歴史小説の第一人者が描く、明治の激動を生きた男の一代記。関東大震災、二・二六事件、満州国――。波乱に満ちた時代を背景に繰り広げられる、圧巻の大河小説の第一部、ここに開幕!
周防柳さんの『恋する女帝』
奈良の都で巻き起こった最大の醜聞――女帝と「日本三悪人」道鏡の許されぬ恋の真相とは?
天平勝宝元年(749年)に即位した孝謙天皇(後に称徳天皇)は、「奈良の大仏」造立で知られる聖武天皇の娘として21歳で史上唯一の女性皇太子となりました。即位後、藤原仲麻呂に支えられた治世は安定しているかに見えましたが……。
平城京を震撼させた皇室スキャンダルと、天智天皇以降の皇統の謎に迫る、中山義秀文学賞受賞後第一作。
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