恋細工

恋細工
恋細工
(こいざいく)
西條奈加
(さいじょうなか)
[芸道]
★★★★☆☆

百年続く錺職「椋屋」の娘・お凜をヒロインに、江戸職人の世界の技と粋、人情を描いた時代小説。奢侈を禁ずる水野忠邦の天保の改革下を舞台にしていて、スリリングで緊張感みなぎる作品に仕上がっている。

本作品は、櫛簪、煙管、香炉、箪笥金具などの金銀細工を行う錺職の細工に懸けた技と美の世界を扱う芸道小説でありながら、主人公の恋を織り交ぜて情感豊かに描いている。贅沢品の商いが禁じられ過酷な運命を強いられる町人たちの、技と知恵、屈しない心意気が感動的。

主な登場人物◆
お凛:錺細工所「椋屋」の当主の義妹
宇一:病床にある「椋屋」の四代目春仙。
お房:四代目の女房で、お凛の姉
お菊:春仙の娘
権の松:浅草福井町の神輿錺職人
時蔵:権の松の下で働く職人。お上の禁令に触れた奢った細工で五十日の手鎖になる
生駒広左衛門:南伝馬町の小間物問屋、生駒屋の主
伊左衛門:生駒屋の跡取り息子
お千賀:伊左衛門の妹
留五郎:「椋屋」の職人頭
音助:武蔵川越に店を構える錺職人
庄六:信州上田に店を構える錺職人
新兵衛:備前岡山に店を構える錺職人
伍一:「椋屋」の職人
捨松:「椋屋」の小僧
柴太郎:「椋屋」の小僧
直吉:「椋屋」の小僧
お清:「椋屋」の女中頭
弥惣一:下谷池之端の唐物問屋、蘭斉屋の主
青木成之:北町奉行所定廻同心

物語●錺細工所「椋屋」の四代目春仙が三十代半ばの若さで亡くなる。四代目の頼みで「椋屋」を切り盛りすることになった義妹のお凜は、天才肌の職人・時蔵を引き取る。そして五代目の跡目は、遺言により、集められた五人人の弟子の中から三年の後に、お凜が選ぶことに…。

目次■なし

カバー装画:卯月みゆき
デザイン:新潮社装幀室
解説:細谷正充
時代:天保十一年十一月
場所:鉄炮町、神田白壁町、南伝馬町、日本橋、ほか
(新潮社・新潮文庫・514円・2011/10/01・354P)
購入日:2011/10/06
読破日:2011/10/20

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