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おもしろ大江戸生活百科

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(おもしろおおえどせいかつひゃっか)

北村鮭彦

(きたむらしゃけひこ)
[江戸学]

『おもしろ江戸雑学』改題。江戸の常識を調べたくて、資料として入手。著者は落語などの演芸に長く携わり、江戸庶民の生活や文化に精通。

古川柳を交えて、庶民の立場から江戸の事物を紹介した、江戸入門書。吉原の遊女の定年が二十八歳だったというのは新発見だ。

読みどころ●。「米と土地ではどっちがお得?」とか「混浴も平気な江戸の娘」「芝居の開演は朝七時」など、軽い語り口で、“江戸の常識”(トリビア)を紹介してくれる。

目次■第一章 花のお江戸のまんなかは……?――江戸城内の仕事ぶり、暮らしぶり(将軍さまを何と呼ぶ?/表は男だらけ、奥は女だらけ/なかなか多忙な将軍の一日/おじぎをさせてエスケープ/尻までふかせる御台さま/セックスパートナーは五人/見物を従えてセックス/将軍家慶を殺した幽霊/大奥の秘密を流す情報元/汚物を積んだら大いばり)|第二章 大名暮らしも楽じゃない――大名の気苦労さまざま(要職につけない大大名/忠臣蔵は処世下手の結末/伝奏役をいじめる御公卿さん/殿さまは弁当持参で登城する/出入旗本は大名の安全パイ/殿さまより泥棒の方がリッチ!?/恐妻家の大名は妾宅から出勤/女好きがお家安泰の秘訣/側室は給料をもらう奉公人/お手がついたらお城入り/大名行列をさせて反乱を防ぐ/横断歩道つきの大名行列/見物人ゼロなら手抜き行列/風呂桶まで持参して経費節減|第三章 花は桜木、人は武士と言うけれど……――お侍にもピンからキリまで(幕臣にもピンからキリ/米と土地ではどっちがお得?/武士の上前をはねる札差/友人も作れない目付衆/疑わしきは斬り捨てる!/悪代官はいなかった/サンピンも武士のうち/忍者は飛び跳ねない/スパイが仕事の御庭番/患者は金持ちに限る/お城の坊主はまるもうけ/門構えで格式が決まる/窓から買い物、武士長屋/借家住まいに奥さまはいない/女中を妾にするが得/妾の武器は寝小便/後家さんは仇討よりも後妻の口/友人の仇討は出しゃばり/仇討はめったに成功しない/天王橋の仇討の悲劇/女房の敵討で男を下げる)|第四章 広いお江戸の取り締まり――町奉行所、火盗改などの実体(花のお江戸は九百三十三町/町奉行は南と北のひと月交代/粋な髪が自慢の八丁堀/役得たっぷりの与力、同心/岡ッ引は副業で暮らす/家賃収入もある八丁堀の旦那/泣くも黙る火付盗賊改/盗賊がふるえる鉄の十手/八州廻りは金と女でお目こぼし/同心は道場でお縄の修業/捕り物姿は大がかりな重装備/すばやい捕り物が同心の腕/拷問は勝手に行えない/拷問せず自白させるのが力量/拷問ア・ラ・カルト)|第五章 旦那衆と江戸ッ子が入り乱れ――江戸の町人の生活模様(働かざる者住むべからず/地主と家主では大違い/町を支配した大富豪/百七十か所の屋敷持ち/紀文と奈良茂の豪遊伝説/家を滅ぼす女房のぜいたく/今も残る江戸の豪商/勘当にもランクあり/公道になると横町の名がつく/長屋暮らしは飲み水を買う/江戸の長屋から始まった礼金/風呂屋と言うは田舎者/混浴も平気な江戸の娘/混浴風景をのぞいてみると/ヘアーの手入れは男の身だしなみ/“江戸ッ子”は自慢にならない/あだな深川、いなせは神田……/江戸の珍商売いろいろ/粋な下町、野暮な山の手/浅草ッ子は田舎者?/不倫の値段は七両二分/火消の威勢も金には勝てぬ/命知らずの火消人足/担当外の火事は知らん顔/火消は得意な浅野内匠頭/ふんどしに銭を包んで厄落とし)|第六章 粋にいなせにお祭りさわぎ――町人の娯楽、ア・ラ・カルト(芝居の開演は朝七時/昼は商売人、夜は芸人/サーカスと動物園に負けた見世物小屋/象とラクダに大さわぎ/三ツ目のお化けになぐられる/女性に見せない江戸の相撲/将軍も楽しんだ天下祭り/旦那衆は祭りに渋い顔/江戸ッ子の花見はドンチャンさわぎ/お月見は芋名月と豆名月/一生に一度はお伊勢参り/抜参りに手形はいらない/伊勢参りで浮気すると抜けない!?/庶民の夢をのせた富くじ/観客が出費して楽しんだ花火/花火の粋な楽しみ方/屋形船の船頭は人にあらず/障子を閉めたらお楽しみ)|第七章 通は見栄張る、張れなきゃ野暮天――江戸の遊廓、花街ご案内(チェックの厳しい吉原の大門/駕籠で繰り込む吉原もうで/粋な遊びはガマンが大事/布団まで運ぶ太夫の道中/金がかかるのは覚悟の上/吉原の女には定年がある/おいらんの手練手管/箸が用意されれば馴染客/ひやかしは遅からず早からず/掛布団は無用の切見世/お上でも潰しきれない岡場所/旅籠では飯盛女が出迎える/川筋の花街は五業地/安あがりな夜鷹買い/女形のアルバイトは陰間/笑顔が売りもの、水茶屋娘/矢場女のスキンシップ)|第八章 罪があるから罰もある――犯罪と刑罰見本帖(死刑囚の最期の望みはオッパイ/放火は重罪、火焙りの刑に/十両盗めば首がとぶ/人妻を口説くと殺される!?/心中は獣同然の行為/スリの現行犯は四度目に死罪/追放にも抜け道がある/好色な坊主は日本橋に並ぶ/島流しはまずは生還不可能/牢に入るのは未決囚/法令を変えた囚獄の英断/鬼平が作った人足寄場/死刑の方法さまざま/首斬りの代役、山田朝右衛門/斬罪は目かくしなしで首を斬る/江戸の刑場は小塚原と鈴が森)|コラム(古川柳 大奥模様/黙って渡せば気持ちは通じる/でき心で御役を失う/渡り仲間はバクチと喧嘩が大好物/狂歌で思わぬ昇進がかなう/落語「石返し」/人相書きが廻れば大犯罪者/八丁堀の七不思議/古川柳 湯屋風景/古川柳 ふんどし考/芭蕉の風流を笑う江戸ッ子/富くじ廃止は女房への面当て!?/古川柳 切見世風景)|おもしろ「大江戸生活百科」考 神津友好

カバー装画:柴田ゆう
解説:神津友好

(新潮文庫・476円・04/10/01第1刷・05/05/25第4刷・306P)
購入日:05/08/17
読破日:05/08/27

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