[amazon_image id=”410146121X” link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]しゃばけ (新潮文庫)[/amazon_image]
しゃばけ
(しゃばけ)
(はたけなかめぐみ)
[ファンタジー]
★★★★
♪第13回ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。ユーモアがいっぱいの江戸妖怪人情推理話。
娑婆気(しゃばけ):俗世間における、名誉・利得などのさまざまな欲望にとらわれる心。(国語大辞典「言泉」より)
いきなり、殺人鬼が現れたり、付喪神など妖が登場したりと、不穏な発端から、連続猟奇事件へ発展しながらも、ドロドロ感やホラー色がなく、どこかほのぼのとしていてユーモアすら感じさせるところがなんとも魅力。主人公一太郎が、妖怪と一緒に事件を解決していくところなど、「ゲゲゲの鬼太郎」のようだ。長崎屋の手代佐助、実は犬神と同じく手代仁吉こと白沢をはじめ、屏風のぞき、鳴家、蛇骨婆、野寺坊、獺など、妖怪が多数登場。一太郎の幼なじみで、菓子屋の三春屋の後継ぎ栄吉の存在もいい味を出している。<.BR>一太郎は、おそらく、変格とはいえ、捕物小説史上もっとも体が弱い探偵役ではないだろうか。いずれにしても次回作が楽しみなところだ。
物語●江戸有数の廻船問屋や薬種問屋を兼ねる、長崎屋の一人息子・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが親や手代の佐助と仁吉の目を盗んで出かけた夜に、人殺しを目撃し、その人殺しに追われる羽目になった。危難は、鈴彦姫とふらり火という妖(あやかし)に助けられ、ことなきを得た。体が弱く、将来が不安な一太郎の周りには妖がいて彼を守っていた。また、一太郎もそういう妖を目で見て話をすることができた…。
目次■なし