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かかし長屋 浅草人情物語

かかし長屋 浅草人情物語
かかし長屋 浅草人情物語

(かかしながや あさくさにんじょうものがたり)

半村良

(はんむらりょう)
[市井]
★★★☆☆☆

装幀が時代小説ぽくなくて、読欲がわかず半月ほどつん読状態だった。しかし、読みだすと、これは面白い。池波の盗賊もの、藤沢の市井ものに通ずるところあり。とくに大人になりたがる源太を描いている部分は澤田ふじ子さんの『虹の橋』を彷彿させる。

物語●当初、住人がかかしのようなボロを着ているところから名付けられた、極貧のものたちが住む「かかし長屋」。その住人たちのプロフィールをエピソードをまじえて確かな筆致で紹介していく。繁盛している菓子屋の玉の輿にのるお袖、元五千石の旗本の嫡男だった古金屋の千次郎、米屋の奉公が続かず生家でごろごろする源太少年。口は悪いが面倒見のいい姫糊屋のおきん婆さん。長屋の住人を陰に日向にで支える貧乏寺の住職忍専。かかし長屋にひっそりと暮らす、盗賊から足を洗った扇職人勘助のもとに昔の盗賊仲間・手妻の半助がやってきた。何げに漏らす押し込み先は、お袖の嫁ぎ先らしい。

カバーデザイン:中原達治
舞台:江戸時代後期、浅草三好町
(祥伝社・ノン・ポシェット・600円・96/7/20)
購入日:1996/8/1
読破日:1996/8/22

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