『蔦屋の息子(二) 歌麿、天賦の才』|泉ゆたか|PHP文芸文庫
2025年8月11日から8月20日に刊行予定の文庫新刊情報として、「2025年8月中旬の新刊(文庫)」を公開いたしました。
今回、特に注目したいのは、泉ゆたかさんによる文庫書き下ろし時代小説『蔦屋の息子(二) 歌麿、天賦の才』(PHP文芸文庫)です。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」でも注目される蔦屋重三郎と喜多川歌麿が、どのように描かれていくのか興味をそそられる、江戸のお仕事小説です。
あらすじ
江戸で評判を呼んでいる書店〈耕書堂〉は、吉原に続き、念願の日本橋に進出しました。奉公人の勇助は、主人・蔦屋重三郎から「お前を“息子”として扱う」と皆の前で宣言され、戸惑いながらも日々懸命に働いています。
ある日、勇助は歌麿という絵師の世話係を命じられます。どこか苛立ちと投げやりな雰囲気を漂わせる、白い肌の華奢な優男――そんな彼の秘められた才能を、勇助は開花させることができるのでしょうか。待望のシリーズ第二弾、文庫書き下ろしです。
(『蔦屋の息子(二) 歌麿、天賦の才』(PHP文芸文庫)Amazon紹介文より抜粋・編集)
ここに注目!
本作は『蔦屋の息子 耕書堂商売日誌』に続くシリーズ第2弾。蔦屋重三郎が営む書店〈耕書堂〉で奉公する若者・勇助を主人公に描く物語です。
父を亡くした十九歳の勇助は、母と妹を養うため耕書堂で働き始めます。蔦重はなぜか彼を気に入り、「いずれ自分の養子(二代目蔦屋)にする」と公言します。勇助は一癖も二癖もある戯作者や絵師たちと渡り合い、耕書堂から作品を世に送り出すため奔走します。
今回は、蔦重から喜多川歌麿の世話役を任された勇助。家族や私生活について資料が少なく、謎に包まれた歌麿がどのように描かれるのか。そして、その才能がいかにして世に広まっていくのか、読みどころ満載です。

今回ご紹介した本
