財務官僚殺害を匂わせる脅迫。卑劣な犯人に挑む心理捜査官・夏希

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『脳科学捜査官 真田夏希 ギルティ・インディゴ』|鳴神響一|角川文庫

脳科学捜査官 真田夏希 ギルティ・インディゴ (角川文庫)
鳴神響一(なるかみ・きょういち)さんの人気の書き下ろし警察小説シリーズの第25巻、『脳科学捜査官 真田夏希 ギルティ・インディゴ』(角川文庫)を紹介します。

シリーズについて
主人公の真田夏希(さなだ・なつき)は、神奈川県警科学捜査研究所に勤務する心理職特別捜査官。シリーズ途中で警察庁サイバー特捜部に異動しますが、現在は古巣に戻り、神奈川警察署管内で発生する殺人事件の捜査本部に心理の専門家として参加し、捜査に深く関わっています。

織田信和刑事部長の指示のもと、「かもめ★百合」のハンドルネームで犯人とメッセージやメールを通じて対話し、その社会的背景や心理状況、犯行の意図を分析して捜査に示唆を与えます。オンライン上でのやり取りだけでなく、直接犯人と対峙したり、逮捕の瞬間に立ち会ったりと、スリリングな展開も大きな魅力です。

物語のあらすじ

神奈川県警に5回続けて届いた同一の脅迫メッセージ。そこには「財務省の中枢を担う官僚を殺害する」と記されていた。心理職特別捜査官の真田夏希は犯人との対話を始めるが、相手は主張を改めるどころか計画を実行に移すと宣言する。そして翌日、最悪の事態が発生してしまう――。犯人に翻弄される夏希たちは、事件の真相に辿り着けるのか。

(『脳科学捜査官 真田夏希 ギルティ・インディゴ』カバー裏の紹介文より抜粋・編集)

ここがポイント

本シリーズの魅力は、警察小説×犯罪心理×ITの融合。SNSやサイバーセキュリティ、サイバーテロなどを題材に、ニュースでは詳しく語られることの少ないインターネット犯罪の恐怖を浮き彫りにしています。

神奈川県警に届いた「財務省官僚殺害予告」メッセージ。ブラック・サムを名乗る人物が財務官僚を罵倒し、その中心人物を殺すと告げます。誰が標的か特定はできないものの、暴力を未然に防ぐため、夏希はブラックサムへ返信を送信。

ブラック・サムは極左暴力集団の一員なのか、あるいは単独でテロを計画するローンオフェンダーなのか――。犯人像が絞れないまま通信は途絶え、「天誅を加える」という言葉を最後に、財務省主計局の男性官僚(45歳)が深夜に撲殺される事件が発生します。

さらに数時間後、「財務官僚に天罰を下した」とメール送信した男が自殺体で発見されます。だが彼が本当に犯人なのか、不可解な点が残されていました。

直後、新たに「ネトウヨ・インフルエンサーを殺害する」という脅迫が県警に届きます。ホワイト・ジョーを名乗る送信者の登場で、捜査は一層混迷を深めていきます。

物語を読み進めるうちに、自分のネット環境やセキュリティ対策は大丈夫なのかと不安になり、パスワード管理やネット利用のあり方を見直したくなることでしょう。

また今回は、捜査本部と織田信和刑事部長をつなぐ連絡役として、一条汐莉(いちじょう・しおり)警部補が登場するのも注目点。2025年8月には、彼女を主人公とした新シリーズ『仮装身分捜査官 一条汐莉』が始動予定で、今回の登場は“顔見世”として新作への期待も高まります。

今回取り上げた本



書籍情報

脳科学捜査官 真田夏希 ギルティ・インディゴ
鳴神響一
KADOKAWA・角川文庫
2025年7月25日初版発行

カバー写真・デザイン:舘山一大

目次:
第一章 ブラック・サム
第二章 ローンオフェンダー
第三章 ネトウヨ・インフルエンサー
第四章 ek対策本部
第五章 エリカを操った男

本文269ページ
書き下ろし

鳴神響一|作品ガイド
鳴神響一|なるかみきょういち|時代小説・作家1962年、東京都生まれ。中央大学法学部卒。2014年、『私が愛したサムライの娘』で第6回角川春樹小説賞を受賞してデビュー。2015年、同作品で第3回野村胡堂文学賞を受賞。時代小説SHOW 投稿記...