勝海舟ら、江戸に暮らした士(サムライ)の素顔に触れる

サムライ 天下太平を支えた人びと江戸東京博物館で、明日2019年11月4日まで開催されている、特別展「士 サムライ―天下太平を支えた人びと―」に行ってきました。

時代小説を読んでいても、武士なのか、侍なのか、その意味するところや使い分けがあいまいになることがあります。

 日本をイメージするキーワードとして国内外を問わず多く用いられる〝サムライ〟。しかし、その言葉から何を連想するのかは人によって様々です。武家・武士・侍・浪人など、サムライが表す人びとについて、歴史的な実態をふまえてこの言葉を使用しているとは言いがたいのではないでしょうか。そこで本展では、現代のサムライイメージの原点である江戸時代のサムライ=〝士〟の暮らしや仕事のありさまをご覧いただき、サムライのイメージを見直してみたいと思います。
(「開催概要」のごあいさつより)

本展では、本質的に武装する者を指し、「侍」は貴人に仕えるの意、「士」は学があってしかるべき地位にある者(=武士)と、その違いを明らかにして、天下太平時代の「士」の暮らしぶりや仕事を、当時の資料、風俗画や古写真、道具類から明らかにしていきます。

図録の表紙にもなった、幕末の写真家フェリーチェ・ベアトの残した、薩摩藩の役人の写真、大岡忠相が所用した煙草盆、遠山景元の具足、ロシアの写真スタジオで撮影された遣欧使節団の肖像画、旗本家に伝来した大砲の模型など、貴重な展示物に目が奪われました。

「幕末の三舟」の勝海舟、高橋泥舟、山岡鉄舟の所用品の展示もありました。
勝海舟が、蘭語の修得と生計のため1年がかりで筆写したオランダ語の辞典『ヅーフハルマ』写本や父小吉の自伝「鶯谷庵独言」にも目を引かれました。

植松三十里さんの文庫書き下ろし時代小説『おたみ海舟 恋仲』にも、その1年間は収入が途絶えて、家の天井板をはがして薪代わりに燃やしたという貧乏生活が生き生きと描かれています。

士 サムライ―天下太平を支えた人びと― - 江戸東京博物館
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『サムライ 天下太平を支えた人びと』(東京都江戸東京博物館、田原昇、小酒井大悟、岡塚章子編著・青幻舎)
『おたみ海舟 恋仲』(植松三十里・小学館文庫)