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明智光秀|時代小説で読む

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[あ] 明智光秀|あけちみつひで|武将|戦国

2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で、「光秀ブーム」が到来して、明智光秀に関連する歴史時代小説も、この2年ほどで一気に刊行されました。「光秀本」を読むなら、今が一番よいタイミングかもしれません。

鈴木輝一郎さんの『光秀の選択』は、「本能寺の変」の10年前、光秀が戦国武将の命運を分ける人生の岐路に焦点を当て、信長の迷走と光秀の決断を描いた歴史長編です。

海音寺潮五郎さんの『明智光秀をめぐる武将列伝』は、光秀をはじめ、戦国武将の列伝を収録。

明智光秀の最大の謎は、「本能寺の変」の動機でしょうか。

織田信長に苛め抜かれたことによる「怨恨説」、京・本能寺の警護が手薄だったことによる「野心説」、ストレスや狂気による「暴発説」、理想や信条に基づく「正義説」、足利義昭や羽柴秀吉、大物の公家による「黒幕説」など、いろいろな説がそれぞれの作品の中で展開されていて、「光秀本」を読む楽しみの一つといます。

藤沢周平さんの『逆軍の旗』は、本能寺を襲う直前の明智光秀の行動と心理を描いた中編小説。

明智光秀と信長の相剋をテーマにしたのが、堺屋太一さんの『鬼と人と 信長と光秀』です。信長を鬼になぞらえ、人である光秀が対峙する物語。

信長を殺したのは誰か? 風野真知雄さんの『密室 本能寺の変』は、本能寺の変の前に信長が殺されていて、光秀が犯人捜しをするという大胆な発想のミステリー。

『決戦!本能寺』は、伊東潤さん、葉室麟さん、冲方丁さんら七人の作家が、本能寺の変に関わる人物を取り上げて描くアンソロジーです。

太田満明さんの『光秀夢幻』は、本能寺の変に至る光秀の戦いの原因を、羽柴秀吉との心理的葛藤に求めた歴史小説。

また、生い立ちから朝倉家に仕えるまでの青年時代も知られていないことから、「光秀本」の格好の題材となっています。

垣根涼介さんの『光秀の定理』は、世に出る直前の放浪時代の光秀を描いた歴史エンタメです。

山田風太郎さんの前半生は忍者だったとする怪作「忍者明智十兵衛」は、アンソロジー『光秀 歴史小説傑作選』で読むことができます。

『傑作! 巨匠たちが描いた小説・明智光秀』では、山田風太郎さんをはじめ、昭和の巨匠たちが描いた明智光秀短編小説が楽しめます。

DATA
生誕:諸説あり
死没:天正10年(1582)6月13日
出身地:美濃国
別名:明智十兵衛、惟任日向守
家族:(父)明智光綱、(母)お牧の方 ※不詳
(妻)熙子
(子)光慶、玉ほか

時代小説SHOW 投稿記事

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『光秀の選択』鈴木輝一郎『光秀の選択』(毎日新聞出版、2020年7月刊)長編
『新装版 逆軍の旗』藤沢周平『新装版 逆軍の旗』(文藝春秋・文春文庫、2014年2月刊)短編
『光秀の定理』垣根涼介『光秀の定理』(KADOKAWA・角川文庫、2016年12月刊)長編
『信長の軍師外伝 天狼 明智光秀(下) 』岩室忍『信長の軍師外伝 天狼 明智光秀(下) 』(祥伝社・祥伝社文庫、2019年11月刊)長編
『信長の軍師外伝 天狼 明智光秀(上)』岩室忍『信長の軍師外伝 天狼 明智光秀(上)』(祥伝社・祥伝社文庫、2019年11月刊)長編
『光秀叛逆の血脈』志木沢郁『光秀叛逆の血脈』(コスミック出版・コスミック・時代文庫、2018年3月刊)長編
『明智光秀』早乙女貢『明智光秀』(文藝春秋・文春文庫、2018年11月刊)長編
『光秀夢幻』太田満明『光秀夢幻』(実業之日本社・実業之日本社文庫、2019年12月刊)長編
『信長の笑み、光秀の涙』辻大悟『信長の笑み、光秀の涙』(双葉社・双葉文庫、2020年1月刊)長編
『ドナ・ビボラの爪 下-光秀死闘 篇』宮本昌孝『ドナ・ビボラの爪 下-光秀死闘 篇』(中央公論新社・中公文庫、2019年8月刊)長編
『ドナ・ビボラの爪 上-帰蝶純愛 篇』宮本昌孝『ドナ・ビボラの爪 上-帰蝶純愛 篇』(中央公論新社・中公文庫、2019年8月刊)長編
『鬼と人と (下) 信長と光秀』堺屋太一『鬼と人と (下) 信長と光秀』(朝日新聞出版・朝日文庫、2019年12月刊)長編
『鬼と人と (上) 信長と光秀』堺屋太一『鬼と人と (上) 信長と光秀』(朝日新聞出版・朝日文庫、2019年12月刊)長編
『密室 本能寺の変』風野真知雄『密室 本能寺の変』(祥伝社・祥伝社文庫、2018年8月刊)長編
『決戦!本能寺』伊東潤、矢野隆、天野純希『決戦!本能寺』(講談社・講談社文庫、2018年3月刊)アンソロジー
『傑作! 巨匠たちが描いた小説・明智光秀』吉川英治、池波正太郎、他『傑作! 巨匠たちが描いた小説・明智光秀』(宝島社・宝島社文庫、2019年10月刊)アンソロジー
『光秀 歴史小説傑作選』冲方丁、池波正太郎ほか著『光秀 歴史小説傑作選』(PHP研究所・PHP文芸文庫、2019年9月刊)アンソロジー
『明智光秀の密書』井沢元彦『明智光秀の密書』(祥伝社・ノン・ポシェット、1996年7月刊)短編
『明智光秀をめぐる武将列伝』海音寺潮五郎『明智光秀をめぐる武将列伝』(文藝春秋・文春文庫、2019年9月刊)短編

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