時代小説●文庫新刊情報|2024年5月中旬の新刊(11日→20日)
2024年5月11日から5月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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創元推理文庫
伊吹亜門さんの『雨と短銃』
倒幕を志す坂本龍馬の仲介により薩摩藩と長州藩は協約を結ばんとしていましたが、一件の凶事が締結を阻みます。上洛していた薩摩藩士が稲荷神社の境内で長州藩士を切りつけ、行方を眩ませたのでした。事態を憂慮した龍馬の依頼で、若き尾張藩の公用人・鹿野師光が捜査に乗り出します。果たして下手人は、どのようにして目撃者の眼前で逃げ場のない鳥居道から姿を消したのでしょうか。破格の評価を受けた『刀と傘』の前日を描いた長編時代本格推理。
光文社文庫
近衛龍春さんの『信長の遺影 安土山図屏風を追え!』
織田信長は「黄金の城」と呼ばれる安土城が落成させました。狩野永徳に命じていた「安土山」を描いた「屏風」も完成したのですが、その直後、信長は本能寺で明智光秀に討たれることになりました。
信長討伐に貢献したのが明智光秀に仕える忍び「神山衆」。光秀に似ているといわれる頭領の神山藤祐は光秀から、件の屏風を手に入れることを命じられます。
その屏風が手に入れば天下が取れるとされるだけに、手に入れるべくさまざまな武将や公家、商人や忍びたちが蠢きだしました。忍びたちも命を削る戦いの末に、神山衆の頭・藤祐を待っていたのは?
霜島けいさんの『うろうろ舟 瓢仙ゆめがたり』
この世の不思議や奇怪な事件を集めて好事家に売りつける、自称「お伽屋」の銀次。
幼い頃、「鬼」に母を殺された過去を持つ彼が、この世ならぬものを視る力を持つ医者の瓢仙の力を借り、摩訶不思議な出来事へと斬りこんでゆきます。お化け屋敷の生みの親といわれる医者・瓢仙をモデルに、天保年間の江戸を舞台に描くあやかし時代劇開幕。
時代小説文庫
坂井希久子さんの『月草糖 花暦 居酒屋ぜんや』
ぜんやに転がりこんできた、只次郎の姪のお栄は大奥に仕えていたのですが、将軍からお手つきとなるのを嫌い、暇を貰って只次郎の許へと逃げていました。
家に戻ってもどこぞの武家に嫁がされるに決まっている、と町人となって己の才覚で生きていくことを望みますが……。
熊吉は熊吉で世話焼きの血が祟り、お花はそれにもやきもき。ままならぬ江戸の世を、若者たちがもがきます。
独活の穂先と人参のかき揚げ、桃の節句の手鞠寿司、楊梅の金玉羹、露草で青く染めた砂糖。料理が気持ちを彩る、傑作時代小説第6弾。
森明日香さんの『牡丹ちる おくり絵師』
昔馴染みで役者の市之進の死絵を描いたことをきっかけに、地本問屋からの注文が増えてきた絵師見習いのおふゆ。ある日街中で、ご禁制とされている、立役と女方の心中を描いた読売が売られていました。
偶然通りがかったおふゆは、画帖を持っていたことから、その読売を描いた絵師だと勘違いされ、岡っ引きに捕まってしまいました……。
第14回角川春樹小説賞を受賞した著者の、注目の新シリーズ第2巻。
双葉文庫
白蔵盈太さんの『実は、拙者は。』
深川佐賀町の裏店に住まう棒手振りの八五郎は、平凡かつ地味な男。人並み外れた影の薄さが悩みの種ですが、独り身ゆえの気楽な貧乏暮らしを謳歌しています。
そんな八五郎は、ある夜、巷で噂の幽霊剣士「鳴かせの一柳斎」が旗本を襲う場に出くわします。
物陰から固唾を呑んで闘いを見守る八五郎ですが、一柳斎の正体が、隣の部屋に住む浪人の雲井源次郎だと気づき……。
影と秘密は江戸の華!? 期待の新鋭が贈る、書き下ろし時代小説です。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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