密室大坂城

密室大坂城
密室大坂城
(みっしつおおさかじょう)
安部龍太郎
(あべりゅうたろう)
[戦国]
★★★☆☆

『太閤の城』に続き、大坂城攻防戦を描く、安部さんの戦国時代小説。マザコンで優柔不断、軟弱なイメージの強かったステレオタイプを打ち破る新しい秀頼像が面白い。隆慶一郎作品の武将のような男気、爽快さを見せてくれて気持ちがいい。

物語●〈我ハ少シマドロミテ、其後切腹スベシト曰ヒテ、小姓ノ膝ヲ枕トシテ、大鼾カイテシヅマリ給フ〉
秀頼の最期の様子を伝える『豊内記』はそう記している。とかく軟弱な男と評されがちな秀頼だが、死を目前にしても高いびきで眠るだけの豪胆さを具えていたのである。
慶長十九年六月、闇の中を一本の朱色の柄の矢が音もなく飛び、御座の間の板壁に突き立った。矢の根元には細く折りたたんだ文がしっかりと結びつけてあった。矢文を読んだ秀頼は、そこに淀殿の文字を見つけた。何者かが厳重に収められていた淀殿の日記を盗み出したのであった…。

目次■序章 我ハ少シマドロミテ/第一章 朱柄の矢文/第二章 鐘銘問題/第三章 二人の使者/第四章 且元退去/第五章 籠城仕度/第六章 決戦開始/第七章 大坂方優勢/第八章 密室崩壊/終章 死者の涙/解説 島内景二

カバーデザイン:鈴木一誌
解説:島内景二
時代:慶長十九年(1614)六月
場所:大坂城、住之江ほか
(講談社文庫・552円・00/06/15第1刷・305P)
購入日:00/06/14
読破日:00/06/25

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