時代小説で、江戸時代の甲府城をたどる

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甲府城は、武田信玄の死後、豊臣氏の大名の浅野長政らによって築城されました。

その後、江戸時代に入ると、徳川家康の九男徳川義直や三代将軍家光の弟徳川忠長、家光の三男の徳川綱重らが甲府の領主となりました。そして、五代将軍綱吉の側用人である柳沢吉保が領主となり、その治世下で甲府城の大規模な修築が行われました。甲府城は別名舞鶴城とも呼ばれています。

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現在は、城跡の一部が復元されて、JR中央本線の線路を挟んで、「舞鶴城公園」「甲府市歴史公園」としては開放されています。

享保九年(1724)、吉保の嫡男吉里が領主のときに、大和郡山に転封されます。甲斐一国は幕府領となり、甲府勤番が設置されることになります。

柳沢吉里の転封を題材にした時代小説に、宮本昌孝さんの『尼首二十万石』(講談社文庫)があります。また、甲府勤番というと、不良旗本を懲罰的に左遷したとする「山流し」のイメージがあります。諸田玲子さんの『山流し、さればこそ』(角川文庫)は、讒言により、理不尽な甲府勤番を命じられた幕臣を主人公に、甲府での生活を描く傑作時代小説です。

幕末の慶応四年(1868)、旧幕府から新選組の近藤勇が甲州鎮撫を命じられて甲府を目指しながら、その手前の勝沼で官軍の東山道軍と交戦し、わずか1日で壊滅し、近藤は敗走しました。

江戸時代の甲府の地を時代小説でたどってみるのも楽しいものです。

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『尼首二十万石』(宮本昌孝著・講談社文庫)
『山流し、さればこそ』(諸田玲子著・角川文庫)
『近藤勇白書』(池波正太郎著・角川文庫)

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