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蔦屋重三郎|時代小説で読む

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[つ] 蔦屋重三郎|つたやじゅうざぶろう|板元・出版プロデューサー|江戸

蔦屋重三郎は、吉原大門の前に書店を開き、吉原の遊女のガイドブック「吉原細見」の販売で成功しました。その後、黄表紙の出版、洒落本や狂歌本などでヒット作を刊行し、天明3年(1783)に日本橋通油町に進出しました。
2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」では、江戸の出版プロデューサー、蔦屋重三郎を主人公に、その波瀾に富んだ生涯を描かれるようです。乞うご期待!

蔦屋重三郎が登場する、おすすめの時代小説

森明日香さんの『写楽女』は、2022年、第14回角川春樹小説賞受賞作。蔦重の店で働く女中お駒を主人公に、謎の絵師写楽の正体と創作の秘密に迫る時代小説です。

谷津矢車さんの『蔦屋』では、日本橋通油町の丸屋小兵衛の店を買い取ったばかりの若き日の重三郎が描かれています。

車浮代さんの『蔦重の教え』は、現代から江戸へスリップした落ちこぼれサラリーマンが、蔦重からビジネスの要諦、人生で大切なことを教わる、時代SFです。

鈴木英治さんの『蔦屋重三郎事件帖』は、江戸の出版王となった重三郎が、殺人事件など難事件を解き明かす時代小説。戯作者や絵師など実在の人物たちも登場します。

蔦屋重三郎は、謎の絵師、東洲斎写楽を世に送り出しました。

松井今朝子さんの『東洲しゃらくさし』皆川博子さんの『写楽』野口卓さんの『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』など、それぞれのアプローチから重三郎の大仕掛けが楽しめます。

喜多川歌麿も重三郎が手掛けて人気絵師となりました。
藤沢周平さんの『新装版 喜多川歌麿女絵草紙』は、枕絵の名作を残し、好色漢と思われがちな絵師の素の顔を描いた長編小説です。

重三郎のもと耕書堂には、戯作者を目指す若者たちが住み込んで働いていました。
後年十返舎一九の筆名で知られる、近松余七もその一人でした。

野口卓さんの『一九戯作旅』は、一九が人気作家として成功するまでの半生を描いた時代小説です。

井上ひさしさんの『手鎖心中』は、材木問屋の若旦那が、絵草紙の作者になりたいと思い焦がれる、悲喜劇を描いた、第六十七回直木賞受賞作です。

吉森大祐さんの『うかれ十郎兵衛』は、稀代の出版プロデューサー蔦重が手掛けた、喜多川歌麿、恋川春町、葛飾北斎、曲亭馬琴、東洲斎写楽の作品に懸ける想いや業、人生の栄光と悲哀を描いた連作短篇集です。

DATA
生誕:寛延3年(1750年)
死没:寛政9年(1797年)
出身:江戸・吉原
狂歌名:蔦唐丸(つたのからまる)

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:おすすめ、:気になる

『写楽女』森明日香『写楽女』(角川春樹事務所、2022年10月刊)長編
『うかれ十郎兵衛』吉森大祐『うかれ十郎兵衛』(講談社、2021年4月刊)短編
『蔦重の教え』車浮代『蔦重の教え』(双葉社・双葉文庫、2021年3月刊)長編
『稀代の本屋 蔦屋重三郎』増田晶文『稀代の本屋 蔦屋重三郎』(草思社・草思社文庫、2019年6月刊)長編
『蔦屋重三郎事件帖(二) 謎の殺し屋』鈴木英治『蔦屋重三郎事件帖(二) 謎の殺し屋』(角川春樹事務所・時代小説文庫、2018年6月刊)長編
『蔦屋』谷津矢車『蔦屋』(学研プラス、2014年3月刊)長編
『蔦屋重三郎事件帖(一) 江戸の出版王』鈴木英治『蔦屋重三郎事件帖(一) 江戸の出版王』(角川春樹事務所・時代小説文庫、2017年7月刊)長編
『蔦屋でござる』井川香四郎『蔦屋でござる』(二見書房・二見時代小説文庫、2012年10月刊)長編
『東洲しゃらくさし』松井今朝子『東洲しゃらくさし』(幻冬舎・幻冬舎時代小説文庫、2011年12月刊)長編
『写楽』皆川博子『写楽』(KADOKAWA・角川文庫、2020年7月刊)長編
『一九戯作旅』野口卓『一九戯作旅』(講談社・講談社文庫、2017年4月刊)長編
『新装版 喜多川歌麿女絵草紙』藤沢周平『新装版 喜多川歌麿女絵草紙』(文藝春秋・文春文庫、2012年7月刊)長編
『新装版 手鎖心中』井上ひさし『新装版 手鎖心中』(文藝春秋・文春文庫、2012年7月刊)長編
『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』野口卓『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』(新潮社・新潮文庫、2021年3月刊)長編

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